CHANEL(シャネル)は、20世紀初頭から現在に至るまで、ファッション、ビューティー、アクセサリーの分野で大きな影響を与えてきたブランドです。創業者のガブリエル・「ココ」・シャネル(Gabrielle “Coco” Chanel)は、時代に逆らい、革新的なスタイルとデザインを提案しました。以下では、CHANELの各年代ごとの歴史とその時期の代表的なコレクションについて詳しく見ていきます。
CHANEL の歴史
1910年代:CHANELの創業と初期の成功
CHANELの歴史は、1910年、ココ・シャネルがパリのカンボン通り21番地に帽子店「CHANEL Modes」を開業したところから始まります。彼女のシンプルで実用的な帽子は、当時の過剰で豪華なデザインとは対照的で、たちまち人気を集めました。シャネルは次第に服飾の分野にも進出し、1913年にはディーヴィルにブティックを開き、スポーティで軽快なデザインの衣服を提供しました。
おすすめコレクション:
- 初期のスポーツウェア:男性用のジャージー素材を使用したスポーティなドレスやカジュアルウェアは、女性の自由な動きを尊重した画期的なデザインでした。
- シンプルな帽子:彼女の帽子は機能的でありながら洗練されており、モード界で注目を集めました。
1920年代:リトルブラックドレスとNo.5の誕生
1920年代は、CHANELが真にグローバルなブランドとして成長した時期です。シャネルは「リトルブラックドレス(LBD)」を発表し、黒という色を喪服だけでなく、洗練されたモダンなファッションの象徴にしました。加えて、1921年にはフレグランス「シャネルNo.5」を発表。これは、シンプルかつ洗練された香りで、今でも世界で最も有名な香水の一つとなっています。
おすすめコレクション:
- リトルブラックドレス:1926年に発表されたシンプルな黒のドレスは、洗練されたエレガンスの象徴として受け入れられました。
- シャネルNo.5:世界初の抽象的な香水で、ジャスミンとアルデヒドが調和した香りが特徴です。
1930年代:大恐慌と戦争の影響
1930年代は、世界的な経済不況と第二次世界大戦の影響で、ファッション業界全体が困難な時期を迎えました。シャネルもその影響を受け、一時的に活動を縮小することになります。しかし、それでもシャネルはジュエリーデザインや高級オートクチュールでその存在感を示し続けました。
おすすめコレクション:
- バイブロック(Biarritz):1930年代に発表されたスポーティなカジュアルウェアのラインで、リゾート地での着用を意識したものです。
- フェイクジュエリー:当時の不況にもかかわらず、シャネルは大胆なフェイクジュエリーを発表し、これがまた一つの新しいトレンドを生み出しました。
1940年代:戦後の復帰と新しいスタイル
第二次世界大戦中、シャネルは一時的にファッション業界から引退していましたが、1954年に復帰します。この時、彼女はその名高い「CHANELスーツ」を発表。ツイードのジャケットとスカートを組み合わせたスーツは、洗練されたエレガンスと実用性を兼ね備えたもので、時代を超えたデザインとして高く評価されました。
おすすめコレクション:
- CHANELスーツ:ツイード素材で作られたシンプルでありながら優雅なスーツは、ファッション界に革命をもたらしました。ジャケットには金のボタンがついており、動きやすさと上品さを兼ね備えています。
1950年代~1970年代:CHANELのアイコンの確立
この時期、CHANELはさらにそのブランドを強化し、さまざまなアイコンアイテムを発表しました。1955年には、「2.55バッグ」が発表され、これはシャネル初のショルダーバッグとして、瞬く間に人気を博しました。このバッグは、ステッチ加工されたキルティングレザーとチェーンストラップが特徴です。また、シャネルはビジネス界にも進出し、リーダーシップを発揮しました。
おすすめコレクション:
- 2.55バッグ:1955年2月に発表されたショルダーバッグで、実用性とエレガンスを兼ね備えています。
- バレリーナシューズ:この時期にシャネルは、クラシックなバレリーナシューズを発表し、軽やかでエレガントな靴として多くの女性に愛されました。
1980年代:カール・ラガーフェルド時代の到来
1980年代に入ると、CHANELはカール・ラガーフェルドをクリエイティブディレクターとして迎えます。彼はシャネルのクラシックなデザインを尊重しながらも、モダンでエッジの効いた要素を取り入れ、ブランドを新しい世代にアピールしました。ラガーフェルドのビジョンによって、CHANELは新たな黄金期を迎えます。
おすすめコレクション:
- ロゴTシャツとアクセサリー:シャネルの「CC」ロゴが大胆に使用されたアイテムが流行し、モダンなエレガンスを象徴しました。
- ラインストーンアクセサリー:シャネルは豪華なラインストーンを使ったアクセサリーを多く発表し、ファッションの華やかさを演出しました。
2000年代~2020年代:現代のCHANEL
カール・ラガーフェルドの死後、シャネルのクリエイティブディレクションはヴィルジニー・ヴィアールに引き継がれました。彼女はラガーフェルドの伝統を尊重しつつ、よりフェミニンで柔らかなデザインを取り入れています。近年は、サステナビリティに焦点を当てたコレクションも発表されています。
おすすめコレクション:
- メティエダールコレクション:シャネルの職人技を祝う特別なコレクションで、毎年異なるテーマや場所で発表されています。
- エコフレンドリーライン:ヴィアール時代のシャネルでは、環境に配慮した素材や製造方法を取り入れたアイテムが増えています。
CHANELは、創業以来、革新とクラシックのバランスを保ちながら、常にファッション界の最前線に立ち続けてきました。創業者のココ・シャネルの理念を受け継ぎつつ、時代の変化に適応し続けることで、今なお多くの人々に愛されるブランドです。