FACETASM(ファセッタズム)

DOMESTIC BRAND

FACETASM(ファセッタズム)は、2007年にデザイナーの落合宏理(おちあい ひろみち)によって設立された日本のファッションブランドです。名前の由来は「ファセット(facet)」という単語に基づき、「様々な顔を持つ」という意味を込めており、さまざまな素材や色、シルエットを組み合わせて新しいファッションの形を提案することを目指しています。FACETASMのコレクションは、ストリートウェアと高級ファッションの要素を取り入れ、実験的なアプローチと大胆なデザインが特徴です。

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FACETASM(ファセッタズム)

2000年代後半:ブランド設立と初期の展開(2007年-2010年)

落合宏理は、エスモードジャポンでファッションを学び、卒業後はデニムのアパレルメーカーで経験を積みました。その後、2007年にFACETASMを設立。設立当初は、日本国内のストリートファッションシーンに向けたコレクションを展開していました。FACETASMは当初、異素材の組み合わせや独特なシルエットが注目され、ストリートカルチャーとモードを融合させた新しいスタイルとして、若い世代を中心に支持を集めていきました。

おすすめコレクション:2007年初期コレクション

初期のコレクションでは、デニム、スウェット、パーカなどのストリートアイテムを中心にしながら、ビビッドな色使いや大胆なプリントを施したデザインが特徴的でした。ブランドの方向性がまだ模索段階にあったものの、実験的なデザインと多様なスタイルが注目されました。


2010年代前半:国際的な認知とデザインの深化(2010年-2015年)

2010年代に入ると、FACETASMは海外のファッションシーンでも徐々に認知度を高め始めます。パリやミラノでの展示会やファッションショーに参加し、国際的なバイヤーやファッションメディアからも注目を集めました。この頃、FACETASMはブランドの根幹である「多面性」をさらに追求し、素材の組み合わせや色彩のコントラストに力を入れ始めます。

おすすめコレクション:2013年春夏コレクション

このコレクションでは、FACETASMの特徴であるアシンメトリーなシルエットや、異素材を組み合わせたハイブリッドなデザインが多く見られました。特に、プリントやレイヤードスタイルが印象的であり、ストリートとモードが調和したデザインが注目を集めました。このコレクションは、FACETASMのクリエイティブな力を国内外に印象付けるものでした。


2016年:LVMHプライズでのファイナリスト選出とブランドの成長

2016年は、FACETASMにとって大きな転機となる年です。この年、FACETASMは世界的なデザイナーの登竜門とされるLVMHプライズでファイナリストに選出されました。これにより、FACETASMの名前がさらに世界的に広がり、国際的な評価が高まりました。また、この頃から落合はパリ・ファッション・ウィークでの発表を定期的に行い、ブランドのスタイルがより成熟したものとなっていきます。

おすすめコレクション:2016年秋冬コレクション

LVMHプライズファイナリストとなった年の秋冬コレクションは、ブランドの新たな方向性を示したものでした。FACETASMのシグネチャーともいえる、異素材ミックスと構築的なシルエットが際立っており、オーバーサイズのコートやレイヤードスタイルが特徴的でした。日本独自の文化をベースにしながらも、グローバルな視点で再構築されたデザインが評価されました。


2017年-2019年:コラボレーションとさらなる革新

2017年以降、FACETASMはさまざまなブランドや企業とコラボレーションを行うようになりました。ナイキ(Nike)やプーマ(PUMA)などのスポーツブランドとのコラボレーションは、FACETASMのユニークなデザインアプローチを世界中に広める機会となりました。また、異分野とのコラボレーションも増え、ブランドの多面的な側面が強調されました。

おすすめコレクション:2018年春夏コレクション

このコレクションは、日本の伝統文化と現代ファッションの融合がテーマで、和柄や伝統的な日本の衣装から着想を得たデザインが特徴でした。また、スポーツブランドとのコラボレーションも行われ、テクニカルな素材やスポーティなシルエットが組み合わさり、FACETASMらしい「混沌とした美学」が表現されました。


2020年代:サステナビリティとデジタルファッションへの関心(2020年以降)

2020年以降、FACETASMはファッション業界でのサステナビリティや環境問題にも取り組む姿勢を見せています。パンデミックの影響もあり、デジタルショーやオンラインでの発表形式を積極的に採用し、デジタルとリアルの融合を試みています。また、環境に配慮した素材選びや、廃材を再利用したアイテムなども登場しています。

おすすめコレクション:2021年秋冬コレクション

2021年の秋冬コレクションでは、サステナビリティをテーマに掲げ、リサイクル素材やヴィンテージ生地を活用したアイテムが多く取り入れられました。また、FACETASMの得意とするアシンメトリーデザインやオーバーサイズのシルエットも健在で、環境問題に対する姿勢とブランドらしいデザインが融合した内容となっています。


FACETASMの未来展望

FACETASMは今後も、伝統的な要素と現代的なエッジを融合させ、独自のデザイン哲学をさらに進化させることが期待されています。特にサステナビリティやデジタルファッションの分野では、今後も新しいアプローチを模索し続け、ファッション業界での影響力を高めるでしょう。

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