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アンバー系香水のおすすめ7選 — 琥珀色の温もりを纏う、大人のための香り選び

ゴールドキャップのガラス香水ボトル、大理石と赤いシルクの背景(アンバー系香水の世界観イメージ)
この記事で紹介する香水 早見表
香水名香調持続性おすすめシーン編集部評価
Serge Lutens – CherguiSerge Lutensタバコリーフ、ハニー、ヘイ(乾草)4-6時間30-50 代男女の秋冬・夜・自宅でくつろぐ…★4.2
Bond No.9 – New York AmberBond No.9
Hermès – Hermessence Ambre NarguiléHermèsシナモン、セサミ(胡麻)★4.1
Profumum Roma – Ambra AureaProfumum Romaグレーアンバー★4.4
Molinard – Ambre Eau de ParfumMolinardラベンダー、オレンジ、ベルガモット★3.8
Etro – AmbraEtroモミの樹脂、レモン、ゼラニウム★4.0
Prada – Amber Pour HommePradaネロリ、カルダモン、ベルガモット★3.9

アンバーという香りの正体 — 琥珀と龍涎香、そして調香が生み出す「アンバーアコード」

香水の世界でいう「アンバー」は、実は一つの素材を指す言葉ではありません。もともとの語源は龍涎香(アンバーグリス)、つまりマッコウクジラの体内でごくまれにできる結石にあります。動物性のこの香料は独特の甘さと塩気を帯びた重厚感を持ち、古くから香水の保留剤として珍重されてきました。現在は保護動物由来の採取がほぼ不可能になったため、香気成分アンブロキサンを中心とした合成素材で再現されるのが一般的です。もう一つの起源が、植物樹脂を由来とする琥珀色の香りです。ラブダナムやベンゾイン、スティラックスといった樹脂が持つ温かい甘さは、宝石としての琥珀そのものというより、琥珀色から連想される香りのイメージに近いものとされています。

つまり香水売り場で「アンバー」と表示された一本の多くは、ラブダナムやベンゾイン、バニラ、トンカビーンといった複数の樹脂系・甘い素材を組み合わせて作られた、調香師によるオリジナルの「アンバーアコード」です。単一の天然素材ではなく組み合わせの妙で表現される香りだからこそ、ブランドや調香師によって同じ「アンバー」でもまったく違う表情になります。

この「アンバーアコード」という考え方が広く知られるきっかけになったのが、1925年に発表されたGuerlainのShalimarだといわれています。当時新しく合成されたバニリンとラブダナム、オポポナックスを組み合わせたベースは、のちに多くのブランドが参照する古典的な「アンバー」の型となりました。現在紹介する7本も、それぞれ異なる形でこの琥珀色の温かさを解釈しています。この記事では、そうした解釈の幅を意識しながら、アンバーを主役に据えた香水を7本選びました。すでに個別のレビュー記事がある一本については、そちらもあわせてご覧いただければと思います。

単一の天然素材ではなく組み合わせの妙で表現される香りだからこそ、ブランドや調香師によって同じ「アンバー」でもまったく違う表情になります。

アンバー系香水を選ぶときの3つの視点

一つ目の視点は、動物性の重厚感を思わせるタイプか、植物性の樹脂感を前面に出したタイプかという方向性です。Profumum Roma Ambra Aureaのようにグレーアンバーと没薬(ミルラ)を軸にした濃密な系統もあれば、Etro Ambraのようにローズや柑橘の立ち上がりを添えた上品な系統もあります。二つ目は、アンバー単体の輪郭を楽しみたいか、タバコやオウド、フローラルといった他の要素と重なる複雑さを求めるかという点です。Serge Lutens Chergui やBond No.9 New York Amberのように、アンバーがベースで香り全体を静かに支える構成も少なくありません。三つ目は使うシーンです。中東やニッチブランドのアンバー系は持続力が高めに設計されていることが多く、日中のオフィスで使う場合は量を控えめにするのが無難です。以下では、この3つの視点を意識しながら香調の異なる7本を紹介します。

アンバー系香水のおすすめ7選

Serge Lutens – Chergui — タバコとハニーが溶け合う、冬の暖炉を思わせる一本

タバコリーフ・ハニー・ヘイ(乾草)の蜜のようなスモーキーな開幕から、インセンス・アイリス・ローズのスパイシーフローラルな心、アンバー・サンダルウッド・ムスクの温かみのある余韻へ。冬の暖炉でタバコを燻らせ、蜂蜜入りの紅茶を飲むような懐かしさある温度。男女問わず秋冬の夜、自宅でくつろぐ時間、落ち着いた場、肌の温度で長く纏える一本。

発売
2001 年
調香師
Christopher Sheldrake
トップノート
タバコリーフ、ハニー、ヘイ(乾草)
ミドルノート
インセンス、アイリス、ローズ
ラストノート
アンバー、サンダルウッド、ムスク
香りの強度
オードパルファム
持続性
4-6時間
おすすめシーン
30-50 代男女の秋冬・夜・自宅でくつろぐ時間・落ち着いた場
GUZ編集部レビュー4.2 / 5

ハチミツとタバコリーフの蜜のような開幕から、インセンスやアンバーへと肌の温度でじっくり熟成していく構成に懐かしさが漂います。かなり重厚な香りのため、夏場や軽さを求める場面には不向きで、つける量には注意が必要です。

Serge Lutensを代表する一本、Chergui(シェルギ)は、タバコリーフとハニー、ヘイ(乾草)が織りなす蜜のような立ち上がりから始まります。心に広がるインセンスとアイリス、ローズが香りに気品を添え、最後にアンバーとサンダルウッド、ムスクが折り重なる構成です。ベースでアンバーが香り全体を静かに支える設計になっており、単体では派手に主張しないぶん、他のノートと調和した奥行きのある温度感が長く続きます。冬の夜、暖炉のそばで蜂蜜入りの紅茶を飲むような、どこか懐かしい気分にひたりたいときに向いています。

男女を問わず選びやすい一本として知られており、自宅でくつろぐ時間や落ち着いた場に持ち出しやすいのも魅力です。すでにGUZ FASHIONでは同じSerge Lutensのオリエンタル・アンバー路線として知られるAmbre Sultanの個別レビューも公開しているため、より辛口でスパイシーな方向を探している方はそちらもあわせて参考にしてみてください。

Bond No.9 – New York Amber — ニューヨークの喧騒に温もりを添えるオリエンタル

2011年に登場したBond No.9のNew York Amberは、ブランド公式が「ベルガモットが弾けるように開き、サフランとジャスミンが心を彩り、最後にアンバーが温かみと柔らかな甘さで香りを包み込む」と説明する一本です。トップのベルガモットに続き、サフランやジャスミン、ローズ、ナツメグ、ペッパー、オスマンサスが折り重なる華やかな中盤を経て、ベースでアンバーとアガーウッド(オウド)、ミルラ、サンダルウッド、ベンゾイン、ムスクが重厚な余韻を作ります。

アンバーがベースで香り全体をまとめ役として支えるタイプで、スパイスとウッドの複雑な陰影を楽しみたい人に向いています。ニューヨークという都市名を冠したブランドらしく、都会的な華やぎと温かみを両立させたい人にふさわしい一本です。

Hermès – Hermessence Ambre Narguilé — 蜂蜜とタバコの煙が漂う、東方の水煙管

発売
2004 年
調香師
Jean-Claude Ellena
トップノート
シナモン、セサミ(胡麻)
ミドルノート
ハニー、キャラメル、バニラ、ホワイトオーキッド
ラストノート
ベンゾイン、ラブダナム、ムスク、タバコ、トンカビーン、クマリン、ラム
GUZ編集部レビュー4.1 / 5

エルメッセンスの中でもひときわ甘い一本です。ハニーとキャラメルの香ばしさにタバコの燻香が重なり、ジャン=クロード・エレナらしい余白のある構成でアンバーの温かみをじっくり楽しめます。

調香師ジャン=クロード・エレナが2004年に手がけたAmbre Narguilé(アンブル・ナルギレ)は、単一素材シリーズ「エルメッセンス」の中でもひときわ甘さの際立つ一本です。ナルギレとは水煙管(水タバコ)を意味し、その名の通りシナモンとセサミ(胡麻)の香ばしい立ち上がりから、ハニーとキャラメル、バニラ、ホワイトオーキッドが重なる中盤を経て、ベンゾインとラブダナム、ムスク、タバコ、トンカビーン、クマリン、ラムが折り重なるベースへとつながります。

甘さの中にタバコの燻香が漂う独特の設計で、エレナらしい余白を残しながらも、エルメッセンスの中では比較的濃密な部類に入ります。焼き菓子のような甘い香りとアンバーの温かみを同時に楽しみたい人に向いた一本です。

Profumum Roma – Ambra Aurea — グレーアンバーとインセンスが折り重なる濃密な一本

トップノート
グレーアンバー
ミドルノート
インセンス(乳香)
ラストノート
ミルラ、サンダルウッド、バニラ
GUZ編集部レビュー4.4 / 5

グレーアンバーとインセンス、ミルラが折り重なる、ニッチブランドらしい濃密な一本です。持続力の高さでも知られ、秋冬にじっくりと纏いたい香りを探している人に向いています。

ローマ発のニッチブランドProfumum Romaを代表する一本、Ambra Aurea(アンブラ・アウレア)は、グレーアンバーが主役のトップから、インセンス(乳香)が神秘的な陰影を添える中盤、そしてミルラが印象を残すベースへと展開します。サンダルウッドやバニラも重なり、樹脂と香辛料が混じり合う塩気を帯びた甘さと、強い持続力が特徴です。単一素材を突き詰めるニッチブランドらしく、アンバーという素材の輪郭がはっきりと感じられる設計になっています。

香りの主張が強めのため、つける量は控えめから試すのが安心です。気温が下がる秋冬に、じっくりと香りの変化を楽しみたい人に向いた一本といえます。

Molinard – Ambre Eau de Parfum — フランスの老舗が仕上げる親しみやすいアンバー

発売
2015 年
トップノート
ラベンダー、オレンジ、ベルガモット、レモン
ミドルノート
ベンゾイン、インセンス、クローブ、ゼラニウム
ラストノート
バニラ、パチョリ、ムスク
GUZ編集部レビュー3.8 / 5

ラベンダーやベルガモットの爽やかな立ち上がりから、ベンゾインとクローブが重なる心地よい構成です。フランスの老舗が手がけるクラシックなアンバーの入り口として親しみやすい一本です。

1849年創業のフランスの老舗Molinardから2015年に発表されたAmbre オーデパルファムは、ラベンダーとオレンジ、ベルガモット、レモンの爽やかな立ち上がりから始まります。心に広がるベンゾインとインセンス、クローブ、ゼラニウムが温かみを添え、ベースはバニラとパチョリ、ムスクで穏やかに着地する構成です。他のニッチ系のアンバーと比べると軽やかで親しみやすい仕上がりになっており、アンバー系の香水を初めて試す人の入り口としても選びやすい一本です。

老舗ブランドらしい安定した作りで、日常使いしやすいバランスの良さが魅力です。かしこまった場面よりも、普段のオフィスや外出時に気軽に使いたい人に向いています。

Etro – Ambra — イタリアンブランドが1989年から纏う樹脂の温もり

発売
1989 年
トップノート
モミの樹脂、レモン、ゼラニウム、コリアンダー、ベルガモット、ローズ
ミドルノート
ラブダナム、パチョリ、スティラックス
ラストノート
アンバー、バニラ、オポポナックス、ムスク
GUZ編集部レビュー4.0 / 5

モミの樹脂とローズの立ち上がりから、ラブダナムとスティラックスが折り重なる、発表から30年以上続く息の長い一本です。イタリアらしい上品な質感のアンバーを求める人に向いています。

イタリアのテキスタイルブランドEtroが1989年に発表したAmbra(アンブラ)は、モミの樹脂とレモン、ゼラニウム、コリアンダー、ベルガモット、ローズが重なる立ち上がりから始まります。心にはラブダナムとパチョリ、スティラックスが折り重なり、最後にアンバーとバニラ、オポポナックス、ムスクが温かい余韻を作ります。発表から30年以上を経てなお選ばれ続けている息の長さは、Etroらしい上品な質感の証といえるでしょう。

樹脂感とフローラルのバランスが取れた設計で、濃密すぎるアンバー系に抵抗がある人にも取り入れやすい一本です。イタリアらしい華やかさと落ち着きを両立させたい人に向いています。

Prada – Amber Pour Homme — プラダ初のメンズフレグランスが描く上品なフゼア

発売
2006 年
調香師
Daniela Andrier
トップノート
ネロリ、カルダモン、ベルガモット、マンダリンオレンジ
ミドルノート
ミルラ、ムスク、オレンジブロッサム、ゼラニウム、ベチバー
ラストノート
サフラン、バニラ、ラブダナム、トンカビーン、レザー、サンダルウッド、パチョリ
GUZ編集部レビュー3.9 / 5

ネロリとカルダモンの清潔感ある立ち上がりから、ラブダナムとレザーが重なる大人のフゼアです。プラダ初のメンズフレグランスとして知られ、オフィスでも使いやすい落ち着いた一本です。

調香師ダニエラ・アンドリエが2006年に手がけたAmber Pour Hommeは、プラダにとって初めてのメンズフレグランスです。ネロリとカルダモン、ベルガモット、マンダリンオレンジの清潔感ある立ち上がりから、ミルラとムスク、オレンジブロッサム、ゼラニウム、ベチバーが重なる中盤を経て、サフランとバニラ、ラブダナム、トンカビーン、レザー、サンダルウッド、パチョリが折り重なるベースへと展開します。

フゼアの清潔感とアンバーの温かみを両立させた構成で、オンとオフの両方で使いやすいバランスの良さが持ち味です。メンズフレグランスの定番としてアンバー系を試してみたい人に向いた一本です。

季節とシーンで選ぶアンバー系香水

アンバー系の香水は、気温が下がる季節ほど香りの立ち方が心地よく感じられる傾向があります。Profumum Roma Ambra AureaやSerge Lutens Chergui のような濃密な構成は、秋冬のコートの内側や、人との距離が近くない屋外での使用に向いています。一方でEtro AmbraやMolinard Ambreのように柑橘やフローラルの立ち上がりを持つタイプは、季節を問わず日常的に使いやすい軽やかさがあります。Hermès Ambre NarguiléやBond No.9 New York Amberのように甘さやスパイスが華やかに香るタイプは、夜のディナーや特別な予定がある日に纏うと、香りの変化を楽しみやすくなります。Prada Amber Pour Hommeのようなフゼア寄りの構成は、オフィスなど人との距離が近い場面でも比較的使いやすい部類に入ります。

よくある質問

Q. アンバー系の香水は甘すぎませんか。
甘さの強さは商品によって幅があります。Molinard AmbreやEtro Ambraのように柑橘やフローラルで軽さを持たせたタイプもあれば、Profumum Roma Ambra Aureaのように濃密な甘さを前面に出したタイプもあります。甘さに不安がある場合は、比較的軽やかなMolinard Ambreから試すのも一つの方法です。

Q. アンバーと龍涎香(アンバーグリス)は同じものですか。
厳密には異なります。龍涎香はマッコウクジラ由来の動物性香料そのものを指しますが、現在の香水で使われる「アンバー」の多くは、ラブダナムやベンゾインなど複数の素材を組み合わせて作られた調香上のアコードです。同じ「アンバー」という言葉でも、由来や構成はブランドによって異なります。

Q. 男女どちらでも使えますか。
今回紹介した7本のうち、Prada Amber Pour Homme はメンズとして展開されている一本ですが、そのほかはユニセックスまたは男女兼用として展開されています。性別にとらわれず、好みの温かみの方向性で選んで問題ありません。

Q. 他の系統の香水とどう違いますか。
スパイス系香水で紹介しているような刺激的な香辛料の香りに比べると、アンバー系は樹脂と甘さが軸になっており、より温かく包み込むような印象を持つのが特徴です。バニラ系香水と近い甘さを持つ一本も多いため、両方を比べながら好みの温度感を探ってみるのもおすすめです。

Q. つける量や場所のコツはありますか。
アンバー系は体温で少しずつ立ち上がる樹脂系の素材が多く、つけてから30分ほど経った頃の印象で最終判断すると失敗が少なくなります。Profumum Roma Ambra Aureaのように持続力が高いタイプは、手首や首もとに1〜2プッシュから始め、周囲の反応を見ながら量を調整するのが無難です。

まとめ — 琥珀色の温もりをまとう7本

アンバーという一つの言葉でも、龍涎香に由来する動物性の重厚感から、ラブダナムやベンゾインが作る植物性の樹脂感まで、表現の幅は驚くほど広いことが今回の7本を通して見えてきたはずです。Serge Lutens CherguiやBond No.9 New York Amberのようにベースでアンバーが全体を支える構成から、Profumum Roma Ambra Aureaのように素材そのものの輪郭を突き詰める一本まで、同じ「アンバー系」というくくりでも印象はさまざまです。まずは自分がどんな温度感の香りを求めているのかを意識しながら、気になる一本からサンプルで試してみることをおすすめします。ニッチフレグランスならではの濃密な表現を求めるなら、Profumum RomaやHermèsのエルメッセンスにも目を向ける価値があります。

編集方針について — この記事は GUZ FASHION 編集部のFRAGRANCEカテゴリの編集方針に沿って制作されています。

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