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編集部注: 本記事の価格は 2026 年 5 月時点の参考値です。
Tom Ford Private Blend ラインは並行輸入品が多く流通し、価格差が大きいため、
購入前に出品者の評価と正規品証明を必ず確認してください。
2007 年、デザイナー Tom Ford(1961 年生まれ、Gucci のクリエイティブディレクター時代を経て
自身のブランドを 2005 年に独立)は、自身の名を冠したフレグランスライン「Private Blend」を発表。
その第 1 弾の中で最も話題を呼んだのが「Oud Wood」でした。当時、ウードは中東の伝統的な
高級香料として知られていたものの、西洋のメインストリーム香水での使用は極めて稀。
Oud Wood は「ウードを西洋ユーザーに親しみやすく翻訳した最初の作品」として、現代の
ウードブームの起点となりました。
2005 年 Tom Ford 独立 — Private Blend ラインの誕生
Gucci で華やかなセクシュアリティを表現していた Tom Ford は、2005 年に Estée Lauder
グループとの提携で独自ブランド「Tom Ford Beauty」を立ち上げました。2007 年発表の
Private Blend は「個人の選択を最大化するラグジュアリー」をコンセプトに、各作品を 50ml 単位で
販売(当時の他ブランドは 100ml が標準)、調香師との緊密な共同制作を打ち出した革新的なラインです。
Private Blend の初期ラインナップは 12 商品(Oud Wood / Tobacco Vanille / Tuscan Leather /
Italian Cypress / Bois Rouge / Tobacco Oud 等)で、各作品が世界各地の文化・地域・場面を
香りで表現しました。Tom Ford 自身が各作品の方向性を決め、フランスの調香師たち(Olivier Gillotin,
Yann Vasnier, Calice Becker 等)が具体的な処方を仕上げています。
Oud Wood は「ウードを西洋ユーザーに親しみやすく翻訳した最初の作品」として、現代の ウードブームの起点となりました。
主要作品 1 — Tom Ford Neroli Portofino(2011 年)
Private Blend 全体の中で最も「軽量・夏向き」な作品が Neroli Portofino(2011 年発表)。
イタリアのリゾート地ポルトフィーノを名に冠し、調香師 Rodrigo Flores-Roux が手がけました。
ネロリ(オレンジの花)・ベルガモット・レモン・スイートオレンジのトップに、ラベンダー・
ローズマリー・ミルラのミドル、アンバー・ムスク・ベチバーのラスト。地中海の太陽と海を
表現した構成で、夏のリゾート、結婚式の挙式、屋外イベントに最適です。Private Blend の
入門編としても勧めやすく、Oud Wood を試す前のステップとして機能します。
主要作品 2 — Tom Ford Oud Wood(2007 年、本記事の主役)
Oud Wood は調香師 Richard Herpin が手がけた Private Blend 第 1 弾の代表作。
従来のウード香水(中東のニッチブランド製)が「重く・濃く・男性的」だったのに対し、
Oud Wood は ウードを「軽く・ユニセックス・洗練」に翻訳しました。
構成はピンクペッパー・カルダモン・シダーのトップ、ウード・サンダルウッド・チャイニーズペッパーの
ミドル、アンバー・ベチバー・トンカビーンのラスト。1 プッシュで 8-12 時間持続し、肌密着型の
スキンセントとして香り続けます。
Oud Wood の革命性は、ウードを「西洋人の鼻が受け入れられるレベル」に薄め、しかし
ウードの本質(乾いた木の質感、わずかな酸味、温度を持った深み)は残した点。Estée Lauder の
販売力と Tom Ford のブランド力で、ウードを西洋メインストリームに定着させました。
2020 年代の Creed・Initio・Maison Francis Kurkdjian 等のウード作品はすべて Oud Wood の
影響圏内にあります。
Oud Wood の入手:Tom Ford 公式ブティック(日本では伊勢丹新宿等の Tom Ford Beauty カウンター)、
百貨店の Tom Ford コーナー、または並行輸入。50ml で 30,000-40,000 円台、100ml で 50,000-70,000 円台が
相場です。
主要作品 3 — Tom Ford Tobacco Vanille(2007 年)
Oud Wood と同じ 2007 年第 1 弾発表で、より「冬・夜・濃密」を表現した作品が Tobacco Vanille
(調香師 Olivier Gillotin)。タバコの葉・ヴァニラ・カカオ・ドライフルーツの濃密なグルマンで、
1 プッシュで 12-16 時間残る圧倒的な持続力。秋冬のフォーマルディナー、葉巻ラウンジ、
ホテルバー — 特別な夜のためのフレグランスとして 18 年間定番の地位を保ち続けています。
Oud Wood と並ぶ Private Blend の双璧です。
Tobacco Vanille は本記事のセレクションでは取り扱いがないため、楽天 / Amazon の
検索キーワード「Tom Ford Tobacco Vanille EDP」で探してください。代替として、
夜の濃密ウッディを楽しみたい場合は Maison Margiela「Replica – Under the Stars」が候補です。
Oud Wood の系譜 — 2010 年代のウードブーム
2010 年代、Oud Wood の成功を見たブランド各社がウード作品を次々発表しました。
Creed「Royal Oud」(2011)、Maison Francis Kurkdjian「Oud Satin Mood」(2015)、
Diptyque「Oud Palao」(2015)など、各社の最高級ライン(50,000-100,000 円台)で
ウードが定番化しました。本記事のセレクションでは Diptyque「Oudésance」相当の
作品として、Diptyque の代表的なオーデサンスを紹介します。
もう一段、現代ウードの最高峰を試したい場合は Initio Parfums Privés「Side Effect」
(2014 年発表、ウード系の派生)。ラム・サフラン・タバコ・シナモンのトップ、ローズ・パピルスの
ミドル、ムスク・ホワイトタバコ・ベチバーのラスト。直接ウードを使わずに、ウード的な
「夜の濃密」を表現した一本で、Oud Wood が育てた市場の到達点といえます。
Oud Wood を使いこなす 4 つのコツ
1. 1 プッシュで十分。Oud Wood は香料濃度 EDP で 1 プッシュ 8-12 時間持続します。
2 プッシュ以上は他者に強すぎる可能性があり、フォーマルシーンでは避けるべきです。
2. 季節を選ぶ。Oud Wood の乾いた質感は秋・冬・春の涼しい気温で最も映えます。
夏の高温多湿では他のシトラス系と組み合わせる、または夏は使わない判断もエレガントです。
3. 着用シーン。ビジネスフォーマル、ディナー、葉巻ラウンジ、ホテルバー、
コンサート鑑賞 — 「大人の夜」「落ち着いた場」に最も映えます。カジュアル日中の使用は
過剰感を生む可能性があります。
4. 着用者の年齢。Oud Wood は 30 代以降に最も似合います。20 代では先に
Neroli Portofino で Private Blend の世界観に触れてから、30 代以降で Oud Wood に
ステップアップする流れが王道です。
まとめ — Tom Ford Private Blend の入口として
Tom Ford Private Blend の世界に入るなら、夏に Neroli Portofino、秋冬に Oud Wood、
特別な夜に Tobacco Vanille — この 3 本を季節と場面で使い分けるのが理想形です。
編集部の最終提案は Neroli Portofino で Private Blend の世界観に触れ、
30 代以降に Oud Wood で本格的なウード体験へ進む段階的アプローチ。
Oud Wood は単独でも完成度が高いですが、「ウードという素材」を理解した上で着るとさらに
深く楽しめます。Tom Ford のオフィシャル説明書や調香師 Richard Herpin のインタビュー記事を
事前に読むと、香りの背景物語まで体験できる作品です。
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