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東京の独立系ニッチ香水専門店 — 自由が丘・東麻布・吉祥寺、バイヤーが選ぶ香りを巡る

東京のニッチフレグランス専門店10選|ル ラボ×バイレード×Diptyqueの聖地

独立系ニッチ香水専門店とは、ブランド直営店とはどう違うのか

ここ数年で東京の香水市場は大きく広がりました。百貨店のフレグランス売り場は面積を増やし、ル ラボやバイレード、ディプティックといった海外メゾンの直営ブティックも表参道や銀座、代官山に相次いで店を構えています。しかし、そうした直営店はどこまで行っても「そのブランド一色」の空間です。店員はそのブランドの世界観を語ることに長けていますが、他社の香りと横並びで比較したり、隣のメゾンの一本を思いがけず知ったりする体験は基本的に用意されていません。

一方で、この記事で紹介する独立系のニッチ香水専門店は、特定のメゾンに属さない個人や小さな会社が、世界中の香りを自分の物差しで選び、一つの棚に並べている場所です。店主やバイヤーが実際に香りを試し、日本の気候や暮らしに合うかどうかを吟味したうえで仕入れているため、置かれている一本一本に選んだ理由があります。大手代理店を通さずに小さな会社が直接ヨーロッパのメゾンと取引しているケースも珍しくなく、日本ではまだ知名度の低い香りに出会えるのも独立系ならではの魅力です。

もうひとつの違いは、香りを比較する自由度です。直営店では自社の商品しか嗅ぎ比べられませんが、複合型の専門店では系統の近い数本を並べて試したり、店主に好みを伝えて候補を絞り込んでもらったりできます。香水選びは思っている以上に個人差が大きく、雑誌やSNSで評判の一本が自分の肌に合うとは限りません。だからこそ、複数のブランドを横断して相談できる場所の価値は大きいといえます。

この記事では、東京都内で実際に営業を続けている独立系・小規模運営のマルチブランド香水専門店を、住所や営業時間まで一次情報で確認したうえで紹介します。大型チェーンや単一ブランドの直営旗艦店はあえて外し、店主やバイヤーの目利きが感じられる店だけを選びました。訪れる前には必ず公式サイトやSNSで最新の営業状況を確認したうえで、足を運んでみてください。

大型チェーンや単一ブランドの直営旗艦店はあえて外し、店主やバイヤーの目利きが感じられる店だけを選びました。

東京の独立系ニッチ香水専門店5軒

自由が丘香水セレクト

自由が丘駅から歩いてすぐの自由が丘デパート地下1階にある、自由が丘で唯一の香水専門店です。パフュームコンサルタントの内海佐都紀さんがひとりで香りの相談に乗ってくれる、いわば個人商店の香水店で、扱う本数は1300種類を超えます。日本ではまだ流通していない香りをメインに揃えているのが特徴で、シャネルやゲランといった大手メゾンの旧作から、ザ ディファレント カンパニーやパルファン・ロジーヌ パリのような知る人ぞ知るニッチメゾンまで、ブランドの垣根を超えて棚に並んでいます。化粧品製造販売業と製造業の許可を取得したうえで本格的な輸入販売を行っているため、並行輸入品にありがちな品質面の不安が少ないのも安心材料です。

接客はコンサルティング形式で、好みの系統や使うシーンを伝えると、内海さんが持っている知識をもとに候補を絞ってくれます。定番のオードパルファンだけでなく、携帯用や卓上用のアトマイザーといった周辺アイテムも扱っているので、普段使いの一本を小分けにして持ち歩きたい人にも向いています。自由が丘という土地柄、婦人服や雑貨の買い物のついでに立ち寄る客も多く、香水初心者からヴィンテージ香水を探すマニアまで幅広く受け止めてきた店です。定休日は水曜日なので、平日に自由が丘を訪れる予定がある人は事前に営業時間を確認しておくと安心です。

香水量り売り専門ショップ東京デイジー

港区東麻布のオフィスビルの2階に構える、量り売りに特化した香水専門店です。運営する株式会社Weavingは香水そのものを製造するメーカーではなく、世界各国のブランドから仕入れた香水を1ミリリットル単位の小分けで販売するという、日本ではまだ珍しい業態を選んでいます。取り扱いブランドはアムアージュやジョヴォワ、ニシャネ、オルトパリージ、ラボラトリオ・オルファティーボ、ラルチザンパフューマーといった海外の専業ニッチメゾンから、コムデギャルソンやフエギア、パルファンサトリのような個性派、さらにはシャネルやディオールといった大手メゾンまで、150以上のブランドにまたがります。

量り売りという仕組みが持つ最大の利点は、1本1万円を超えるような高額な香水でも、数百円から千円台の予算で試せることです。ニッチフレグランスは1本で3万円から4万円するものも少なくなく、香りが自分に合うかどうかわからないまま大きな出費をするのは誰しも躊躇するものです。東京デイジーはそうした心理的なハードルを下げる役割を果たしており、SNSを通じて香りの魅力を発信しながら、少量ずつ気軽に香水沼へ踏み出せる入り口を用意しています。訪問にあたっては公式サイトやインスタグラムで最新の営業状況を確認したうえで、事前に電話で在庫や来店可否を問い合わせるのが確実です。

シャン・デ・パルファン

吉祥寺で28年にわたりヨーロッパのメゾンフレグランスを輸入してきた株式会社フォルテが、自社オフィスの1階に開いたリアル店舗です。ザ ディファレント カンパニーやパルファン・ロジーヌ パリ、キャロン、ランセ、ノービレ1942、オルファクティヴ・ストゥディオ、ELLA Kといった、フランスを中心とするニッチメゾンを長年正規代理店として扱ってきた会社だけに、取り扱う香りの背景や調香師のストーリーに関する知識の厚みはかなりのものです。代表の吉岡康子さん自身がカウンセラーとして立つ日もあり、香水にまつわる知識をじっくり聞きながら選べる貴重な場になっています。

吉祥寺エリアには百貨店のフレグランスコーナーはあっても、複数のニッチメゾンをまとめて試せる独立系の店はほかになく、地元のファッション誌からも「吉祥寺唯一のストア」として紹介されてきました。取り扱いブランドをすべて試せるのはこの店だけという触れ込みのとおり、通販サイトの写真だけでは判断しづらいラストノートの余韻まで、実際に肌の上で確認できます。営業は平日の日中のみで週末は休業となるため、吉祥寺に立ち寄る際は平日の予定に組み込むのがおすすめです。

アトリエ マクリ

清澄白河にほど近い江東区森下に店を構える、眼鏡と香水を組み合わせたコンセプトストアです。運営会社のMACRIはもともとインテリアスタイリングを軸に空間演出を手がけてきた会社で、香水を単体の商品としてではなく、部屋や装いを含めた暮らし全体の一部として提案する姿勢が随所に感じられます。取り扱う香水ブランドは、日本発のÉDIT(h)、フランスのマリー ジャンヌとオブヴィアス、イタリアのミルコ ブッフィーニ、イギリスのバイラオと国籍も個性もさまざまで、ひとつの潮流にとらわれない選び方をしています。

店内には眼鏡のフレームと香水のボトルが並んで置かれており、視覚と嗅覚の両方から自分らしい印象をつくるという店のコンセプトが体感できます。清澄白河から森下にかけては近年、コーヒーやうつわの個人店が増えているエリアで、そうした街歩きの延長で立ち寄りやすい立地です。営業時間は正午から夜8時までで、定休日は年末年始のみとなっており、平日でも週末でも訪ねやすいのは独立系専門店としては珍しい体制といえます。

CELL Perfume bar

新宿御苑のすぐそばに位置する香水セレクトショップで、1985年設立の株式会社ウィッシュが運営しています。同社はもともと香水の通信販売を専業としてきた会社で、その知見を生かして自社ブランドの「CELL This moment」や「BLEU VOYAGE」シリーズと、フローリスやバイレードをはじめとする海外のニッチな香りを同じ棚に並べています。自社ブランドはすべて試せるようにサンプルが用意されており、ルームディフューザーやハンドクリームなど暮らしまわりのアイテムも合わせて扱っているのが特徴です。

店名に「bar」とつくとおり、香りを五感で楽しむ空間として設計されており、単に香水を買う場所というより、いくつもの香りを比べながら会話を楽しむような時間の使い方ができます。営業日や営業時間は不定休で、その日の予定はインスタグラムのストーリーズで案内される運用になっているため、訪問前には必ず公式アカウントで当日の情報を確認してください。新宿御苑の散策と組み合わせて立ち寄る客も多く、平日の昼下がりに香りを試しながらひと息つく使い方にも向いています。

香水専門店の選び方・巡り方

独立系の香水専門店を訪ねるときにまず意識したいのは、香りは時間とともに変化するという当たり前の事実です。つけた直後のトップノートと、数時間後のラストノートでは印象がまったく異なることが珍しくありません。店頭で嗅いだ瞬間の香りだけで判断せず、可能であれば試香紙を持ち帰って半日ほど時間を置いてから改めて確かめる、あるいは肌に少量つけてもらって時間経過を体感するといった手順を踏むと、購入後の失敗をぐっと減らせます。今回紹介した店はどこも量り売りやミニサイズでの購入に対応しているので、いきなりフルボトルを選ばず、まずは小分けで試すという巡り方が合理的です。

一日に試す香りの本数を絞ることも大切です。鼻は同時に何種類もの香りを正確に嗅ぎ分けられるようにはできておらず、5本を超えたあたりから違いがわからなくなってくるものです。コーヒー豆の香りを嗅いでリセットする方法がよく知られていますが、それでも一店舗あたり3本から4本程度に候補を絞り、日を分けて何店舗か回るくらいのペースがちょうどよいでしょう。今回紹介した店舗は東麻布、新宿御苑前、吉祥寺、森下、自由が丘とエリアが分散しているため、無理に一日で回ろうとせず、都心を回る日と郊外を回る日を分けて計画すると余裕を持って試香できます。

季節や気温によって香りの立ち方が変わることも覚えておきたいポイントです。夏場は皮脂の分泌が増えて香りが強く立ちやすいため、涼しい季節なら心地よかった濃度でも暑い時期には主張が強く感じられることがあります。逆に冬場は香りが飛びやすく、同じ量をつけても持続時間が短く感じられます。独立系の専門店で相談できる強みは、こうした季節や体質による違いをふまえたうえで、店主やスタッフが具体的な提案をしてくれる点にあります。単にウェブサイトの説明文を読むだけでは得られない、経験に基づいたアドバイスを引き出せるかどうかは、実際に足を運んで会話を交わすことでしか確かめられません。

予算の立て方も独立系の店ならではの工夫がしやすい部分です。ニッチフレグランスは1本で数万円するものが多く、いきなりフルボトルを買うのは勇気がいります。今回紹介した店の多くは量り売りやミニサイズ、サンプルセットといった選択肢を用意しているため、まずは少量で日常生活の中に取り入れてみて、気に入ったものだけをあとから本サイズで買い足すという段階的な楽しみ方ができます。店によって取り扱いブランドの傾向や得意分野は異なるため、事前に公式サイトやインスタグラムでおおまかなラインナップを確認しておくと、当日の相談がよりスムーズに進みます。

小規模な独立系専門店を訪ねるときは、大型店とは少し違う心構えも役に立ちます。スタッフが一人か二人体制の店が多く、来店客への説明にじっくり時間をかける分だけ、混雑時には順番待ちが発生することもあります。可能であれば平日の落ち着いた時間帯を選ぶ、あるいは事前に電話やSNSで在店状況を確認しておくと、店主とゆっくり会話しながら香りを選ぶ時間を確保しやすくなります。こうした店は日々の仕入れや接客をほぼ一人で回していることが多く、そこで生まれた偶然の出会いこそが、大型チェーンでは味わえない独立系専門店ならではの体験だといえるでしょう。

まとめ

東京には百貨店のフレグランスフロアや海外メゾンの直営ブティックだけでなく、店主やバイヤーが自分の目と鼻で選んだ香りを並べる、独立系のマルチブランド専門店が確かに存在しています。今回紹介した自由が丘香水セレクト、東京デイジー、シャン・デ・パルファン、アトリエ マクリ、CELL Perfume barは、いずれも特定のメゾンに縛られず、複数のブランドを横断して比較できる場所です。規模の大きなチェーン店にはない、一対一で相談しながら香りを選べる時間は、香水という趣味の奥行きを教えてくれます。

今回リサーチを重ねる中で、独立系かつマルチブランドという条件を満たす専門店は、大型チェーンや直営ブティックに比べるとまだ数が少ないという実感もありました。営業時間や定休日が変わりやすい小規模店も多いため、訪問前には必ず公式サイトやSNSで最新情報を確認してから足を運んでください。香りとの出会いは一期一会です。気になる店があれば、まずは近くの一軒から気軽に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

編集方針について — この記事は GUZ FASHION 編集部のGUIDEカテゴリの編集方針に沿って制作されています。

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