IMPORT BRAND

Palace Skateboards(パレス)— ロンドン発、TRI-FERGを掲げるスケートウェアハウスの17年

Palace Skateboards(パレス)— ロンドン発、TRI-FERGを掲げるスケートウェアハウスの17年

設計思想 — ロンドン南部のスケートハウスから生まれた17年、TRI-FERGとドロップ文化

Palace Skateboardsは、2009年にLev Tanju、Gareth Skewis、Marshall Taylorの3人が英国ロンドンで立ち上げたスケートウェアのハウスです。創業から17年にわたって独立経営を続け、ロンドンのスケート文化の中軸として、欧米とアジアのストリートウェア愛好家のあいだで強い支持を集めてきました。

ハウス名の「Palace」は、創業メンバーたちが拠点にしていたロンドン南部の古びたシェアハウス群を、冗談交じりに「宮殿(Palace)」と呼んでいたことに由来します。ハウスを象徴するのは、「TRI-FERG」と呼ばれる三角形のロゴです。TRI-FERGは、Penrose Triangle(英国の数学者ロジャー・ペンローズが考案した「不可能な三角形」の幾何学的概念)を土台に、Marc Jacobsのデザインディレクターも務めたグラフィックデザイナー、Fergus「Fergadelic」Purcellが手がけた意匠で、三面それぞれに「PALACE」の文字を配した独自のロゴです。欧米とアジアのストリートウェア愛好家のあいだで「英国スケート文化の代名詞」として強い支持を集めるシンボルに育っていきました。

経歴の最初の節目は、2000年代のPalace Wayward Boys Choir(PWBC)というスケート・クルーの結成です。Lev Tanjuを含む若手スケーターたちが、ロンドン南部の複数のスケートハウスを拠点に結成したこのコレクティブは、当時のロンドンのスケート文化の中軸を担い、後のPalace Skateboardsの独自の方向性を準備する歩みとなりました。

経歴のもう一つの中核となる節目は、2009年のPalace Skateboardsの正式な立ち上げです。PWBCのスケート・クルーから派生する独自のハウスとして「Palace Skateboards」を英国ロンドンで立ち上げ、最初のTシャツとスケートデッキ(スケートボードのデッキ部分)を発表しました。当時のPalaceの方向性は、米国Supreme(1994年米国NYC James Jebbia創業のストリートウェア・ハウス)と並ぶ限定発売による稀少性演出の「ドロップ文化」を採用する独自の事業で、英国のストリートウェア業界誌で「米国Supremeに対する英国の対応の中軸」として参照される歩みを進めていきました。

経歴の現代の大きな節目は、2014年から始まったAdidas Originalsとの長年の協業(Palace × Adidas)です。この協業を皮切りに、Mercedes-AMG、Polo Ralph Lauren、Reebok、Calvin Klein、Vetements、そして2022年のGucciなど、主要メゾンとの稀有なコラボレーションを重ねてきました。

主要な意匠は、TRI-FERG(Penrose Triangleを土台とする独自のロゴ)、PalaceのTシャツとHoodie(TRI-FERGを主軸とするグラフィック・ティーとフード付きスウェット)、Palaceスケートデッキ(Palaceの自社制作のスケートデッキ)、Palace × Adidas(2014年-)のスニーカーとアパレル、そして各メゾンとのコラボ作品全般などです。

創業から現代まで — Palace Skateboardsの歩み

2000年代 Palace Wayward Boys Choirの結成

Lev Tanjuは、大学を出たあとロンドンで長い時間をスケートに費やし、スケートボードのグラフィックを手がけるようになった人物です。2000年代、Lev Tanjuを含む若手スケーターたちがロンドン南部の複数のスケートハウスを拠点に、スケート・クルー「Palace Wayward Boys Choir(PWBC)」を結成しました。PWBCは当時のロンドンのスケート文化の中軸を担う若手スケーターのコレクティブで、低予算のスケート映像シリーズを制作しながら、後のPalace Skateboardsの独自の方向性を準備する歩みとなります。

2009 Palace Skateboardsの創業

2009年はPalace Skateboardsの歩みのなかで最大の創業の節目となりました。Lev Tanju、Gareth Skewis、Marshall Taylorの3人が、PWBCのスケート・クルーから派生する独自のハウスとして「Palace Skateboards」を英国ロンドンで立ち上げ、最初のTシャツとスケートデッキを発表したのです。

創業時のPalaceの方向性は、米国Supremeと並ぶ「ドロップ文化」(限定発売による稀少性の演出)を採用する独自の事業で、英国のストリートウェア業界誌で「米国Supremeに対する英国の対応の中軸」として参照される歩みを進めていきました。

2010年代前半 TRI-FERGの確立とスケート文化の中軸

創業初期のPalaceは、Marc Jacobsのデザインディレクターも務めたグラフィックデザイナー、Fergus「Fergadelic」Purcellに、三角形を土台にしたロゴのデザインを依頼しました。Purcellが手がけたのは、Penrose Triangle(英国の数学者ロジャー・ペンローズが考案した「不可能な三角形」の幾何学的概念)を土台に、三面それぞれに「PALACE」の文字を配した「TRI-FERG」です。Purcell自身、この三角形について「永遠に回転し続けているように見える」形状の力を語っており、平面上では静止しえない性質そのものに動きが宿っていると評しています。TRI-FERGは、欧米とアジアのストリートウェア愛好家のあいだで「英国スケート文化の代名詞」として強い支持を集めるシンボルに育っていきました。

2014 Adidas Originalsとの協業(Palace × Adidas)の開始

2014年はPalace Skateboardsの歩みのなかで最大の協業の節目となりました。ドイツのAdidas(1949年ドイツAdi Dassler創業)のAdidas Originalsラインが、Palace Skateboardsとの協業を正式に発表したのです。同年9月に発売された最初のコレクションは、Lev Tanjuが「チームウェア」と呼んだ22点構成で、ロンドンのスケートの荒々しい質感とAdidas Originalsの復刻的な感性を組み合わせ、プルオーバーやハーフジップトップ、トラックパンツ、タクティカルベスト、バケットハットなどでPalaceのロゴとAdidasのトレフォイル・スリーストライプスを重ねる内容でした。

Palace × Adidasは2014年から複数シーズンにわたって継続する稀有な事業協業で、Palace Skateboardsの世界観を国際的に広げる原動力となりました。

2015年以降 国際展開と主要メゾンとのコラボレーション

2010年代後半から2020年代にかけて、Palace Skateboardsは欧米の主要メゾンとの稀有なコラボレーションを重ねていきました。Mercedes-AMG、Polo Ralph Lauren、Reebok、Calvin Kleinなど、スケートウェアの枠を超えたコラボレーションが、Palaceのハウスとしての世界観をさらに広げていきます。

2022年10月には、イタリアのGucciとのコラボレーションがGucci Vaultを通じて発表されました。パリ、ミラノ、東京、大阪、バンコクのVaultポップアップストアと、ロンドン・NYC・LA・東京のPalace直営店で展開されたこのコラボレーションは、ハイブランドとストリートウェアの境界を越える稀有な事例として、業界誌で大きく取り上げられました。

店舗展開も国際的に進み、ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、東京、ソウル、香港にフラッグシップストアを構えるまでになりました。

Palace Skateboardsを作った人々

Lev Tanju(共同創業者・クリエイティブディレクター、2009-現在)

ロンドン生まれ、大学を出たあとスケートに没頭しスケートボードのグラフィックを手がけるようになった人物です。Palace Wayward Boys Choirの一員として2000年代のロンドンのスケート文化に深く触れ、2009年にGareth Skewis、Marshall Taylorとともに自身のハウスPalace Skateboardsを立ち上げました。以来ハウスの世界観を牽引し続けています。

Fergus「Fergadelic」Purcell(TRI-FERGデザイナー)

Marc Jacobsのデザインディレクターも務めた経歴を持つグラフィックデザイナーです。Palaceの三角形を土台にしたロゴという依頼を受け、Penrose Triangleを応用した「TRI-FERG」を手がけました。この意匠は、いまやPalaceのハウスそのものを象徴するシンボルとなりました。

主要アイテム — Palaceの語彙

TRI-FERGグラフィックのTシャツ・Hoodie

TRI-FERGを主軸とするグラフィック・ティーとフード付きスウェットです。シーズンごとに異なるグラフィックが展開される一方、三角形のロゴという核は一貫しており、Palaceのハウスとしての世界観を体現する定番ラインとして親しまれています。

Palaceスケートデッキ

Palaceの自社制作によるスケートボードのデッキです。スケートウェアのハウスとしての出自を体現する原点のアイテムで、TRI-FERGをはじめとするグラフィックを大胆に配したデザインが特徴です。

Palace × Adidas(2014-)

2014年から続くAdidas Originalsとの協業ラインです。Adidasの定番シルエットにPalaceのロゴとグラフィックを重ねたスニーカーとアパレルは、欧米とアジアのストリートウェア愛好家のあいだで発売のたびに大きな話題を呼んできました。

GUZ編集部レビュー4.0 / 5

Adidas Originals との長年の協業モデルらしく、ソールワークとカラーリングの完成度は安定しています。継続的にドロップされるぶん定番として履きやすい反面、初期モデルほど中古価格が跳ね上がる点は留意が必要です。

— Palace × Adidas

中古市場でのPalace

Palaceの中古市場は、複数の軸で形成されています。TRI-FERGグラフィックのTシャツ・Hoodie、Palaceスケートデッキ、Palace × Adidasのスニーカーとアパレル、そしてGucciなど主要メゾンとのコラボアイテム――これらが日本国内でも取引されています。

日本ではフリマアプリ、メルカリ、Vestiaire Collective、ZOZO USED、それから原宿・渋谷・下北沢の古着店での流通が中心です。ドロップ文化を採用するハウスゆえに正規販売時から品薄になりやすく、中古市場では定価を上回る価格帯で取引されることも珍しくありません。特に主要メゾンとのコラボアイテムは相場が上振れしやすい傾向にあります。相場は出品状況で変動するため、購入時は個別に最新価格を確認することをおすすめします。

まとめ — 17年の歩み、ロンドンのスケートハウスからTRI-FERGと主要メゾンコラボまで

Palace Skateboardsの歩みを17年でまとめると、次のような節目に整理できます。2000年代にLev Tanjuを含む若手スケーターたちがロンドン南部のスケートハウスを拠点にPalace Wayward Boys Choirを結成し、2009年にLev Tanju、Gareth Skewis、Marshall Taylorの3人が独自のハウスPalace Skateboardsを立ち上げました。創業初期にFergus Purcellが手がけたTRI-FERGが英国スケート文化の代名詞に育ち、2014年からはAdidas Originalsとの協業を皮切りに、Mercedes-AMG、Polo Ralph Lauren、Reebok、Calvin Klein、そして2022年のGucciまで、主要メゾンとの稀有なコラボレーションを重ねてきました。

中古市場ではTRI-FERGグラフィックのTシャツ・Hoodie、スケートデッキ、Palace × Adidasのスニーカーとアパレルを軸に日本国内でも取引され、ロンドン発のスケートウェアハウスとして強い支持を集めてきました。Palaceの17年に及ぶ独立経営は、「ロンドン南部のスケートハウスから生まれたクルーが、Penrose Triangleを土台にしたTRI-FERGと『ドロップ文化』の哲学で、世界的なストリートウェアハウスへ育った事例」として、今後も参照され続けるはずです。

編集方針について — この記事は GUZ FASHION 編集部のIMPORT BRANDカテゴリの編集方針に沿って制作されています。

SHARE

READ NEXT

あなたへのおすすめ

このブランドの商品を探す 新品楽天ファッション 中古メルカリ