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広島の古着屋 — 本通り・袋町を巡る6店

ラックに並んだ様々なジャケットや洋服が置かれた古着店の店内(広島の古着屋ガイドのイメージ)

広島市の中心部は、路面電車が縦横に走る本通り・袋町・中町・八丁堀のあたりに、個人経営の古着店が驚くほど密集しているエリアです。百貨店やアーケード商店街のすぐ裏手、雑居ビルの2階や地下に扉を構える店が多く、看板を見落として素通りしてしまいそうな入り口の先に、店主が長年かけて買い付けてきたアメリカ古着やユーロヴィンテージが並んでいます。中国地方全体から古着好きが集まる土地柄もあって、店ごとの個性がはっきり分かれているのが広島の面白さです。アメリカ古着のミリタリーやワークに強い店もあれば、ヨーロッパの一点物を静かに並べる店もあり、半日あれば数軒をはしごできる距離感も魅力です。

広島の古着シーンが本通り周辺に集中している背景には、路面電車という移動手段の存在があります。バスや車での移動が中心の地方都市が多いなかで、広島は電停を降りればすぐに商店街という土地柄のため、家賃の安い裏通りの雑居ビルに小さな店を構えても、電停からの動線さえ確保できれば客足が見込めるという事情があります。結果として、大通り沿いには百貨店やアパレルチェーンが並び、一本裏に入った袋町や中町のビルには個人経営の古着店がひっそりと軒を連ねるという、表と裏で顔つきが変わる街並みができあがっています。

この記事では、広島市中区の袋町・本通り・中町を中心に、実際に営業を確認できた独立系の古着店を6軒選びました。チェーン展開の大型店ではなく、店主自身が買い付けと接客を担う小さな店を軸にしています。訪問前には各店の公式Instagramなどで最新の営業状況を確認することをおすすめします。個人店は在庫の入れ替わりが早く、営業時間や定休日も変わりやすいため、遠方から訪れる場合は特に最新情報のチェックを欠かさないようにしてください。

本通り・袋町エリアの古着店

Grab — アメリカ買い付けのミリタリー・ワーク古着

袋町のビルの2階に店を構えるGrabは、アメリカから直接買い付けたミリタリーウェアとアウトドア、ワーク系の古着を軸にしたセレクトが特徴です。フィールドジャケットやM-65といった定番のミリタリーアイテムから、ダックハンティング用のワークウェアまで、実用性の高いアイテムが整然と並びます。木曜が定休日で、日曜・祝日は営業時間が11時からと少し早まるため、休日の朝から古着屋巡りを始めたい人にも動きやすい店です。ミリタリーとアウトドアを軸に着こなしを組みたい人にとって、最初に立ち寄る価値のある一軒です。棚は洋服だけでなく、真鍮のカラビナや帆布のポーチといった小物にも目配りが行き届いていて、ジャケット一枚を主役に据えるよりも、全体の質感をそろえて古着らしい統一感を出したい人にも向いています。店主が実際にアメリカへ出向いて買い付けるスタイルを続けているため、シーズンごとに棚の顔ぶれが入れ替わるのも通いたくなる理由のひとつです。

PREIN — アメリカ古着とレディースの状態重視セレクト

本通りに面したビルの2階にあるPREINは、アメリカ古着を中心に、レディースアイテムの品揃えに力を入れている店です。1枚1枚の状態を重視して仕入れているため、色落ちや生地の傷みが少ないコンディションの良いアイテムに出会いやすいのが特徴になっています。デニムシャツやスウェットなど、普段づかいしやすいベーシックなアメカジも多く、古着に慣れていない人でも取り入れやすい価格帯とラインナップです。営業時間は13時からと少し遅めなので、午後にゆっくり訪れるのに向いています。レディースの一角には、80年代から90年代にかけてのワンピースやブラウスが、丈感やシルエットごとに整理されて並んでいて、サイズ感を試着しながら選べる余裕のある陳列も好評です。本通りのアーケードから一本入っただけの立地なので、買い物のついでに寄りやすい距離感も魅力になっています。

PINE TREE — アメリカ・ヨーロッパ古着のクラシック志向

八丁堀のビルに店を構えるPINE TREEは、アメリカとヨーロッパの古着を織り交ぜながら、クラシックな佇まいのアイテムを中心にセレクトしている店です。トラッドなジャケットやニット、ワークシャツなど、流行に左右されにくい定番の型が多く並び、長く着られる一着を探している人に向いています。木曜が定休日で、平日は11時から20時までと営業時間が長いため、仕事帰りに立ち寄りやすいのも利点です。ツイードのジャケットやコーデュロイのパンツなど、季節の変わり目に重宝する中間着が充実しているのも特徴です。瀬戸内らしい穏やかな気候の広島では、真冬向けの重い防寒着よりも、秋口や春先に着られる中間丈のアウターが活躍しやすく、そうした一着を探すのにも向いています。派手な装飾のないシンプルな古着を軸に、普段の服にひとつ加えるだけで印象が変わるようなアイテムを探すのに向いた店です。

KING PIN — アウトドアブランドに強いアメリカ古着

袋町の雑居ビル1階にあるKING PINは、アメリカ古着のなかでもアウトドアブランドの充実度に定評がある店です。パタゴニアやコロンビアといった定番のアウトドアウェアから、フリースやナイロンジャケットまで、機能性とヴィンテージらしい風合いを両立したアイテムが並びます。12時から19時までの営業で、本通りから袋町へ抜ける通り沿いにあるため、隣接するnizzakやGrabと合わせて回りやすい立地です。フリースやナイロンシェルは色柄のバリエーションが豊富で、ワンポイントの効いたヴィンテージロゴのものから無地のシンプルなものまで揃っているため、キャンプなどのアウトドア用途と普段着の両方を視野に選べます。デニムパンツもストレートからテーパードまで裾のシルエットで棚を分けているため、自分の脚のラインに合う一本を見つけやすいのも助かる点です。

nizzak — ラルフローレン・ノースフェイスが充実したアメリカ古着

袋町のビル1階にあるnizzakは、アメリカ古着のなかでもラルフローレンとノースフェイスの品揃えが豊富な店です。ボタンダウンシャツやニットのポロといった定番のトラッドアイテムから、90年代のノースフェイスの防寒ウェアまで幅広く揃い、きれいめとアウトドアの両方を行き来したいコーディネートに使いやすいラインナップになっています。金曜が定休日という点は他店と曜日がずれているため、金曜に袋町を回る際は事前確認をおすすめします。ラルフローレンはポロシャツからケーブルニット、コーデュロイのシャツまで年代の幅も広く陳列されていて、色合わせのしやすいくすんだトーンのアイテムが多い印象です。ノースフェイスはマウンテンパーカーやフリースジャケットが充実していて、単体で主役になる一枚に出会えることもあります。

allée — ユーロヴィンテージを手に取りやすい価格で

中町のビル1階にあるalléeは、ヨーロッパから買い付けたヴィンテージウェアを、比較的手に取りやすい価格帯で展開している店です。フレンチワークジャケットやドイツ軍のミリタリーシャツなど、ユーロヴィンテージらしいディテールを持つアイテムが並び、アメリカ古着とは違う質感の古着を探している人におすすめできます。12時から19時までの営業で、本通り側から歩いてくると立ち寄りやすい動線上にあります。厚手のコットンやリネンを使ったワークジャケットはボタンやポケットの位置がアメリカ古着とは微妙に異なり、そうした国ごとのディテールの違いを見比べる楽しみ方ができるのもユーロヴィンテージならではです。価格帯も比較的抑えられているため、ヨーロッパ古着に初めて触れる入門としても選びやすい店だと言えます。

本通りのアーケードから一本入っただけの立地なので、買い物のついでに寄りやすい距離感も魅力になっています。

価格帯とサイズ感の目安

広島の個人店は、東京の有名エリアと比べると価格が控えめな店が多いのも特徴です。デニムパンツやミリタリージャケットといった定番アイテムであれば、状態が良いものでも東京の相場よりやや抑えられた価格で見つかることがあり、初めて古着に一定額を使う人でも手を出しやすい水準になっています。サイズ表記は日本のS・M・Lではなく、アメリカ古着特有のインチ表記や海外規格のままの店が大半なので、気になるアイテムがあれば店員に肩幅や着丈を実寸で聞いてから試着するのが失敗を避けるコツです。オンラインでは伝わりにくい生地の厚みや色の褪せ具合も、実店舗であれば手に取って確認できるのが古着屋巡りならではの利点と言えます。特にヴィンテージのミリタリーウェアはサイズ表記と実際の着丈が現行品と大きく異なることもあるため、鏡の前で羽織ってみるひと手間を惜しまないほうがよいでしょう。

広島の古着店を巡るときのポイント

広島市中心部の古着店は、袋町・本通り・中町という半径数百メートルの範囲に集まっているため、路面電車の「本通」電停や「袋町」電停を起点にすれば、ほとんどの店を徒歩で回ることができます。ただし個人店は定休日や営業開始時間が店ごとに異なり、木曜定休の店と金曜定休の店が混在しているため、訪問する曜日によっては目当ての店が閉まっている可能性があります。事前に各店の公式Instagramで最新の営業日を確認してから出発すると、無駄足を減らせます。

ジャンルで言うと、GrabやKING PINはミリタリー・アウトドア寄り、PREINやnizzakはきれいめなアメリカ古着、PINE TREEはクラシックなトラッド、alléeはヨーロッパ古着という具合に、店ごとの得意分野がはっきり分かれています。半日で回るなら、まず自分がその日探したい系統を決めてから2〜3軒に絞ると、店主とのやり取りも含めてじっくり見て回れます。現金のみの店も少なくないため、多めに現金を用意しておくと安心です。クレジットカードやコード決済に対応しているかどうかは店によって差があるので、事前に公式Instagramのプロフィール欄などで確認しておくと会計時に慌てずに済みます。

訪れる時間帯についても、多くの店が12時前後の開店なので、午前中に広島城や縮景園などの観光を済ませてから、昼過ぎに古着屋巡りへ切り替えるという回り方がしやすい街です。夕方になると本通りのアーケードは買い物客で混み合いますが、一本裏の袋町や中町はそこまで人通りが多くならないため、落ち着いて試着したい人には夕方前の時間帯が狙い目になります。広島風お好み焼きの店も本通り周辺に点在しているので、古着屋を数軒回ったあとに軽食を挟んで再開するという過ごし方もしやすいでしょう。

まとめ

広島市中心部の古着店は、大型のセレクトショップよりも、店主の目利きがそのまま棚に表れる小さな個人店が主役のエリアです。アメリカ古着のミリタリーやアウトドア、きれいめなアメカジ、クラシックなトラッド、ヨーロッパのヴィンテージと、狭いエリアのなかにジャンルの異なる店が共存しているため、何度訪れても新しい発見があります。路面電車での移動のしやすさも含めて、広島観光や出張のついでに立ち寄る古着屋巡りとしても組み立てやすい街だと言えます。

今回取り上げた6軒はいずれも中区の徒歩圏内にまとまっているため、初めて広島の古着屋を巡る人でも移動に迷うことは少ないはずです。一方で、個人店であるがゆえに在庫の入れ替わりが早く、訪れるたびに棚の顔ぶれが変わっているのもこのエリアらしさと言えます。一度訪れて気に入った店があれば、公式Instagramをフォローして次回の入荷情報を追いかけておくと、次に訪れたときの発見がさらに増えるはずです。広島は瀬戸内海と山に挟まれた地形もあって、夏は蒸し暑く冬は底冷えする日もあるため、季節に応じて古着店で探すアイテムの方向性を変えてみるのも楽しみ方のひとつです。梅雨時期には湿気に強い綿素材のシャツ、真冬にはウールのアウターというように、瀬戸内の気候に合わせて棚を見て回ると、より実用的な一着に出会いやすくなります。全国の古着屋の分布については全国の古着屋・セレクトショップデータベースでも紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。中国地方でデニムに特化した店を探している場合は倉敷・児島のデニムショップガイドも近隣エリアとして役立ちます。日本各地の古着エリアの傾向はエリア別古着屋ガイドでも整理しているので、旅行や出張のついでに古着屋巡りを計画する際の参考にしてください。

編集方針について — この記事は GUZ FASHION 編集部のGUIDEカテゴリの編集方針に沿って制作されています。

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