大分市の古着屋は、JR大分駅の府内中央口から歩いて数分の範囲に広がる府内町・中央町・大手町の三つの町に集まっています。この一帯は大分市の中心市街地にあたり、商店街の通りに沿ってビルが連なる構造で、古着店の多くは路面ではなくビルの2階や3階に入っています。府内町3丁目の府内ビル、中央町3丁目の布屋ビルのように、一棟のビルの中に古着店を含む複数のテナントが同居している例が目立ち、看板だけを頼りに歩くと見落としやすい配置です。府内町と中央町、大手町は互いに徒歩10分圏内でつながっているため、半日あれば主要な店をひと通り回ることができます。
大分の古着シーンで目立つのは、店ごとに軸にしているジャンルの幅が広いことです。米国のフリーマーケットで仕入れたヴィンテージにリメイクを加える店があり、九州でも随一と評される品数を20年近くにわたって積み上げてきた店があり、ミリタリーやスポーツまでジャンルを問わず海外ヴィンテージを揃える店があり、レディースを中心に学生の作品展示まで手がける店があります。中心部からは離れますが、青いトレーラーハウスを目印にしたセレクトショップや、居酒屋の系列として営業するアメカジ古着店もあり、車や自転車で足を延ばす価値があります。
この記事では、府内町・中央町・大手町の中心部にある独立系の古着店4軒と、少し足を延ばした立地にある古着店2軒の、合わせて6軒を選びました。無人営業の店と全国展開のチェーン店は対象から外し、店主が在店してジャンルを絞り込んでいる店を軸にしています。営業時間や定休日は出典によって記載が異なる場合があるため、遠方から訪れる場合は各店のInstagramやブログ、電話で最新の営業状況を確かめてから出かけると安心です。
府内町・大手町・中央町の古着店
古着屋yutori — 米国仕入れとリメイクを扱う新店
府内町1丁目の鎌田ビル1階にある古着屋yutoriは、大分市大道町からの移転を経てガラス張りの路面店を構えた古着店です。オーナーの工藤雅貴さんは、世界最大級のヴィンテージフリーマーケットとして知られる米国のローズボウルをはじめ、現地のフリーマーケットや買い付け先を自ら回り、目にとまったヴィンテージを店頭に並べています。既製のヴィンテージだけでなく、仕入れた古着に手を加えたリメイクのオリジナル商品も扱っているため、同じ型が量産されていない一点物を探している人にも向いた店です。
営業時間は11時から20時、火曜が定休と伝えられていますが、これらの情報は移転後にまとめられた特集記事のみを出典としており、移転から間もない時期の情報である可能性があります。訪れる前にInstagramで最新の営業日を確認しておくと確実です。府内町の中でも比較的新しく加わった一軒で、ガラス張りの店構えは通りを歩いていても見つけやすくなっています。
trestance(スタンス) — 20年の実績と九州随一の品数
府内町3丁目の府内ビル2階と3階で、約20年にわたって営業を続けているのがtrestance(スタンス)です。オーナーの廣瀬直樹さんのもとで、日常使いしやすい価格帯のものから本格的なヴィンテージまでを幅広く揃えており、その品数は九州でも随一と評されています。店内では仕入れた古着に手を加えたリメイクアイテムも並び、長年の目利きに裏打ちされた品揃えが特徴です。
平日は12時から19時までの営業ですが、土曜・日曜・祝日は20時まで営業時間を延長しているため、休日にじっくり時間をかけて探しに行きやすい店です。公式サイトやInstagramでの発信は今回確認できなかったため、最新の営業状況は来店前に電話で確かめておくと安心です。府内ビルは2フロアにまたがる規模を持つため、階を上り下りしながら見て回る時間を見込んでおくとよいでしょう。
イーイー(ee) — ジャンルを問わない海外ヴィンテージ
大手町1丁目にある古着セレクトショップ、イーイー(ee)は、海外から買い付けたヴィンテージを軸に、ミリタリーやスポーツ、ユニセックスまでジャンルにこだわらず幅広く取り揃えている店です。月曜から日曜まで13時から20時まで営業していますが定休日は不定休となっており、確実に立ち寄りたい場合は来店前の電話確認が推奨されています。
公式ブログでは1990年代のラルフローレンBLAIREラインのシャツや、L.L.Beanの厚手リネンシャツ、Wranglerのウエスタンシャツ、タイダイ柄のTシャツなど、入荷アイテムを随時紹介しており、更新頻度の高さがうかがえます。Instagramでの発信は今回見当たらなかったため、店の雰囲気や在庫の傾向はブログの投稿を追っておくとつかみやすくなります。
colorico — レディース中心、学生作品も並ぶ一軒
中央町3丁目の布屋ビル2階にあるcoloricoは、店主の山中裕美子さんがレディースを中心にセレクトしている古着店です。味わいのあるヴィンテージものから、日常使いしやすいリーズナブルなものまでを幅広く扱っており、店内では学生の作品を展示する取り組みも行われています。古着の売買だけにとどまらず、地域の作り手が発表する場としても機能している点が、府内町エリアらしい個人経営の店だといえます。
営業時間は月曜から土曜が12時から19時、日曜が13時から18時までと曜日によって異なります。電話番号は公表されていないと出典に明記されているため、来店前に確かめたいことがあればInstagramを通じて問い合わせるのが現実的な手段です。中央町は府内町から歩いてすぐの距離にあり、府内町の店を回った流れで立ち寄りやすい位置にあります。
店内では学生の作品を展示する取り組みもあり、古着の売買だけでなく地域の作り手が発表する場としても機能しています。
金池南・牧など、足を延ばす古着店
OHANA — 青いトレーラーハウスが目印のセレクト
JR大分駅から車で3分、金池南1丁目にあるOHANAは、青いトレーラーハウスが目印の古着・セレクトショップです。東京や大阪から取り寄せたカジュアルブランドの古着Tシャツやバッグ、サンダルなどを扱い、メンズ・レディース・ユニセックスと客層を問わずトータルコーディネートが組める品揃えを、手に取りやすい価格帯で提供しています。
公式サイトのドメインは今回つながらない状態でしたが、Instagramの投稿数は259件、フォロワーは451人にのぼり、発信そのものは途切れず続いています。ドメインがつながらないことだけを理由に営業状況を判断するのは早計なので、閉店を意味するものとは考えていません。次に向かう際は、直近の投稿で営業日を確認しておくと確実です。営業日は11時から17時30分、水曜と第2・第4土曜が定休日と伝えられています。
古着屋サニー — 居酒屋系列で営業するアメカジ古着
牧駅から徒歩5分、大分市牧1丁目にある古着屋サニーは、2021年に西大分motomatto内から現在の場所へ移転した古着店です。すぐ近くにある居酒屋「炭火焼ふみ」の系列店として営業しており、メンズのアメリカ古着を軸に、ワークやミリタリー系のアイテムを主力に据えています。日常使いしやすいレギュラー古着から40年代・50年代のヴィンテージまでを扱い、価格帯はおよそ1万円から2万円、点数を絞り込んだ分だけ一着ごとの質の高さに定評があります。
以前は日曜のみの変則営業でしたが、現在は月曜から土曜が12時から19時、日曜が13時から20時までとほぼ毎日営業するようになりました。住所の表記は複数の地図サービスで一致していますが、電話番号や公式サイトの情報は今回確認できなかったため、Instagramで最新の営業状況を確かめてから向かうと確実です。府内町・中央町・大手町の徒歩圏からは離れた立地なので、車か自転車で足を延ばす一軒として組み込むのが現実的です。
大分で古着を選ぶときの実践ポイント
大分の古着店を回るうえでまず押さえたいのは、多くの店がビルの2階や3階に入っているという点です。府内ビルやtrestanceのように複数フロアにまたがる店もあれば、布屋ビルのcoloricoのように看板が控えめな店もあり、通りから店の存在に気づきにくいことがあります。住所とビル名、フロアまで確認してから向かうと、目的の店を通り過ぎずに済みます。
もうひとつ意識しておきたいのが、定休日と営業時間の扱いが店によって大きく異なる点です。曜日固定の定休日を設けている店がある一方、不定休を掲げている店も複数あり、確実に開いているかどうかは訪れる直前まで分からないことがあります。とくに電話番号や公式の発信手段が限られている店では、事前に確認する手段そのものが少ないため、余裕を持って複数軒を候補に入れておくと無駄足を減らせます。
選ぶ基準そのものを持っておくと、棚の前での判断が速くなります。米軍の払い下げ品の修理から始まり、軍ものの仕様を現行の生産体制でどう再現しているかを積み重ねてきた日本のブランド、HOUSTONのつくりを知っておくと、イーイーや古着屋サニーの棚に並ぶミリタリー古着が、どの年代の仕様を踏襲しているものなのかを見分ける手がかりになります。
価格帯とサイズの見立て方
大分の独立系古着店の価格帯は、レギュラー古着で数千円台、状態のよいヴィンテージで一万円台から数万円というあたりが目安です。古着屋サニーのように40年代・50年代のアメリカ古着を扱う店では、希少性によって価格が決まる面が強く、状態と価格が単純に比例しないことがあります。値札の数字だけで判断せず、縫製や生地の状態を自分の目で確かめる順番にすると納得して選べます。
サイズについては、年代とジャンルによって設計の考え方が異なる点に注意が必要です。1990年代以降のアメリカンカジュアルは肩幅と身幅にゆとりのある型が多く、表記より大きめに感じられることがあります。一方でミリタリー系の実用着は、当時の体格に合わせた設計のため、現代の体格には小さめに出ることが少なくありません。年代の古いものほど個体差も大きくなるため、試着できる環境であれば必ず袖を通してから決めることをおすすめします。
品数の多いtrestanceのような店では、まず全体を一周して価格帯とジャンルの分布をつかみ、二周目で狙いを絞るという回り方が効率的です。仕入れのタイミングによって棚の内容が大きく変わる店もあるため、Instagramやブログで入荷の告知を追っておくと、目当てのジャンルが並ぶタイミングで訪れやすくなります。
効率よく巡るための道順と時間帯
大分駅府内中央口から府内町・中央町へは徒歩数分の距離にあり、大手町も合わせて徒歩10分ほどでつながっています。まずはこの中心部にある4軒を回り、そこから金池南のOHANAや牧の古着屋サニーへ車か自転車で足を延ばすという順番にすると、移動の負担を抑えられます。OHANAは駅から車で3分、古着屋サニーは牧駅から徒歩5分の距離にあるため、どちらも公共交通と徒歩を組み合わせれば訪れることができます。
営業開始時刻は11時から13時の間に集中しており、閉店は17時台から20時台までばらつきがあります。早めの時間から動き始め、閉店の遅い店を最後に回すという配分にすると、駆け足にならずに済みます。定休日は火曜や水曜に設定している店がある一方、不定休の店も複数あるため、平日に訪れる場合はあらかじめ営業日を確認しておくと空振りを避けられます。
府内町・中央町のエリアはビルが連なる通りが中心のため、雨天でも移動の負担は比較的小さく済みます。一方で金池南や牧へ向かう区間は徒歩や自転車での移動距離が長くなるため、天候によっては車での移動を検討したほうが快適です。
テナントビルに支えられた大分の古着屋
大分の中心部にある古着店を並べてみると、府内町3丁目の府内ビル、中央町3丁目の布屋ビル、府内町1丁目の鎌田ビルというように、それぞれ別の名前を持つビルの中に店が収まっているという構造が見えてきます。路面に単独で店を構えるのではなく、一棟のビルの中の一室、あるいは一フロアを借りて営業するという形は、地方都市の商店街でよく見られる分布のしかたです。看板の主張が控えめな店が多いのも、この構造と無関係ではなさそうです。
一方で、金池南のOHANAや牧の古着屋サニーは、こうした中心部のビル群から離れた場所に単独で構えている店です。OHANAは青いトレーラーハウスという分かりやすい目印を持ち、古着屋サニーは近隣の居酒屋の系列店として営業するというように、それぞれ中心部とは違う形で店の存在を伝えています。同じ大分市内でも、中心部の縦の積み重なりと、郊外側の横の広がりという、二つの異なる分布のしかたが同居しているのが今回回った6軒から見えてくる構図です。
まとめ
大分の古着屋は、府内町・中央町・大手町という中心市街地のビル群に古着屋yutori、trestance(スタンス)、イーイー(ee)、coloricoの4軒が収まり、少し足を延ばした金池南と牧にOHANAと古着屋サニーが構えるという構成です。米国のフリーマーケットで仕入れる店、20年にわたって品数を積み上げてきた店、ジャンルを問わない海外ヴィンテージの店、レディース中心で地域の作り手ともつながる店、青いトレーラーハウスが目印の店、居酒屋系列のアメカジ古着店と、性格の異なる6軒が大分市内に散らばっています。
不定休の店が多く、営業時間の情報も出典によって幅があるため、行きたい店から逆算して当日の順番を決めておくことが、大分を楽しむうえでの前提になります。九州のほかの都市と合わせて回るなら、小倉の古着屋ガイドや熊本の古着屋ガイドが参考になります。全国の古着エリアを俯瞰したい場合は日本全国の古着エリアガイドもあわせてご覧ください。











