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shu uemura(シュウ ウエムラ)— 植村秀が生んだメイクツールブランド

shu uemura(シュウ ウエムラ)— 植村秀が生んだメイクツールブランド

shu uemura(シュウ ウエムラ)は、日本人メイクアップアーティスト・植村秀がその人生をかけて築き上げた化粧品ブランドです。まつ毛を美しくカールさせるアイラッシュカーラーの世界的なヒットや、日本にオイルクレンジングという習慣を広めた先駆者としての歴史で知られ、現在はメイクアップ・スキンケア・メイクツール・香水・ヘアケアまで幅広く展開するコスメブランドとして、日本国内はもちろん各国で親しまれています。本記事では、創業者の歩みからブランドの成立過程、代表的な製品、選び方のポイントまでを丁寧にたどります。

植村秀という人物 — ハリウッドで異彩を放った日本人メイクアップアーティスト

植村秀は1928年6月19日に生まれ、日本人として初めてハリウッドで活躍したメイクアップアーティストです。そのキャリアの出発点は、1957年に日本でロケが行われたユニバーサル映画『蝶々さん(Joe Butterfly)』でのメイクアップアシスタントの仕事でした。転機が訪れたのはその数年後、シャーリー・マクレーン主演の映画『マイ・ゲイシャ』(1962年)で彼女のメイクを担当したことです。この仕事を通じて業界内での評価が一気に高まり、以降はルシル・ボールやフランク・シナトラといったハリウッドの大物スターのメイクも任されるようになりました。

ハリウッドという異文化の現場で経験を積んだ植村は、やがて日本にその技術と美意識を持ち帰りました。1964年には東京にシュウ ウエムラ・メイクアップスクールを開校し、翌1965年には日本で初めてとなるハリウッド式のメイクアップアトリエを開設します。プロの現場で培われた技法を惜しみなく伝えたことで、日本のメイクアップ文化そのものの底上げにつながったとされています。当時の日本では、メイクアップという技術を体系立てて学べる場自体が珍しく、ハリウッドの撮影現場で鍛えられた植村の指導は、後進のメイクアップアーティストたちにとって貴重な学びの機会になったと考えられます。

植村のキャリアが特徴的なのは、単に「日本人がハリウッドで成功した」という一つの成功譚にとどまらず、そこで得た知見を惜しみなく日本へ還元し、教育という形で次の世代に引き継ごうとした点にあります。個人のアーティストとしての名声を、学校というかたちの資産に変えていった発想は、後にブランドそのものを育てていく過程にもそのまま重なっているように見えます。

植村秀は1928年6月19日に生まれ、日本人として初めてハリウッドで活躍したメイクアップアーティストです。

ブランドの誕生と表参道の旗艦店

メイクアップスクールとアトリエでの活動を土台に、1968年には化粧品ブランドとしての「shu uemura」が本格的に始動しました。そして1983年、表参道に旗艦店「シュウ ウエムラ ビューティブティック」の1号店がオープンします。この時期にメイクブラシ・香水・つけまつげといったアイテムへも展開を広げ、単なるメイクアップ製品にとどまらない、幅広いラインナップを持つブランドへと成長していきました。

ブランドが掲げるコンセプトの核にあるのは、「美しいメイクアップは美しい素肌からはじまる」という考え方です。加えて「自然・科学・アート」の融合を掲げ、シンプルでありながら作り込まれたアイテムづくりを志向してきました。日本人ならではの美意識に根ざしながらも、国境を越えて評価される製品を生み出し続けている点が、このブランドの持ち味だと言えるでしょう。

アイラッシュカーラーが世界的ヒットになった理由

shu uemuraを語るうえで欠かせないのが、アイラッシュカーラー(まつ毛カーラー)です。プロのメイクアップアーティストとしての現場経験から生まれたこの道具は、まつ毛を根元からきれいにカールさせる使い勝手のよさで支持を広げ、いまや世界中のメイクアップファンやプロのアーティストに選ばれる定番アイテムになりました。ラインナップは一枚のプレートで挟む定番タイプに加え、部分的なカールを整えたいときに便利なSカーラー(2013年8月発売)のような派生モデルも用意されており、まつ毛の形やメイクの好みに応じて選べるようになっています。

2025年10月には、業界初とされる特許出願技術を採用した新モデル「アイラッシュカーラーW」が発売されました。高さにギャップを持たせた2枚のプレートが時間差でまつ毛を挟み込む「ダブルエッジ・テクノロジー」により、一度の動作でも根元からしっかりとした自然なカールに仕上がる設計で、まつ毛やまぶたへの負担を抑える工夫も凝らされています。単なる小物ではなく、道具そのものの完成度でメイクの仕上がりが変わるという発想を体現した製品であることが、発売から長い年月を経てもなお支持され続けている理由と言えるでしょう。

ブラシ類についても同様に、毛質やカットの精度にこだわった作りが特徴で、プロ用の道具として選ばれることも少なくありません。実際にプロのアーティストが現場で使う道具から着想を得て一般向けに展開するという流れは、創業者自身のキャリアと重なるところがあり、ブランドの原点をそのまま体現していると言えます。

表参道フラグシップ店のメイクアップレッスン

shu uemuraは製品の販売だけでなく、体験型のサービスにも力を入れています。表参道のフラグシップ店では、シュウ トウキョウ メイクアップ ボックス所属のサーティファイド メイクアップ アーティストが担当する複数のメイクアップレッスンプログラムが用意されており、6種類のレッスンとピグメントアトリエを合わせて計7つの体験型コンテンツが揃っています。例えば「3D スタイリング アトリエ レッスン 3Dアイ&ブロー」は60分・9,680円でアイメイクをじっくり学べるコースで、単に商品を買うだけでなく、使い方そのものを店頭で学べる場になっています。このほか刻印サービスやギフトラッピングといった店舗限定のサービスも用意されており、プレゼント用途としても選びやすいブランドです。

オイルクレンジングという文化を日本に広めた先駆者

shu uemuraのもう一つの代表的な功績が、クレンジングオイルです。ブランドは1967年に「アンマスク」という名のクレンジングオイルを発売しており、これはオイルでのクレンジングがまだ一般的ではなかった当時の日本において、この洗顔習慣そのものを広めた先駆けとされています。メイクアップの現場を知り尽くした植村秀だからこそ、メイクを落とすところまでを含めて美しさを考えるという発想にたどり着いたのかもしれません。

その系譜の先にあるのが、ブランドの看板アイテムに位置づけられる「アルティム8∞ スブリム ビューティ クレンジング オイル」です。植村秀本人の「カシミアのようなオイルがほしい」という一言から開発が始まり、10年以上の研究と1,000を超える試作を経て完成したと伝えられています。一つのクレンジングオイルにここまでの年月と手間をかける姿勢に、道具や処方へのこだわりというブランドの一貫した価値観が表れています。

現在のクレンジングオイルは、乾燥が気になる人向け、毛穴の汚れが気になる人向け、肌の透明感を求める人向けなど、肌悩みの傾向に合わせて複数のバリエーションが展開されており、自分の肌質に近いタイプを選べる構成になっています。単に汚れを落とすための工程ではなく、その日のスキンケアの仕上がりを左右する重要なステップとして位置づけている点に、ブランドとしての一貫した姿勢が表れていると言えるでしょう。

現代アートとのコラボレーション

shu uemuraは製品開発だけでなく、現代アートとの交わりを楽しむ姿勢でも知られています。2013年には現代美術家の村上隆とコラボレーションし、「シックスハートプリンセス by takashi murakami for シュウ」と題したクリスマスコレクションを発売しました。村上隆自身が企画・原案・監督を務める作品「6HP(シックスハートプリンセス)」の世界観を採り入れ、クレンジングオイルやつけまつげ、パレット、ファンデーション、スキンケアのキットなど全19アイテムを展開し、「変身」という女性の普遍的な願望をテーマに据えたシリーズでした。

その後2016年には、村上隆を再びコラボレーターに迎えた「コスミック ブロッサム(COSMIC BLOSSOM)」というホリデーコレクションを発表しています。全25点のアイテムが揃ったこのコレクションでは、表参道ヒルズで発売記念イベントが開かれ、村上のアイコニックな花柄モチーフを会場のいたるところにあしらった「フラワーワンダーランド」が演出されました。アトリエのアーティストによるメイクアップショーも行われ、村上隆本人もスペシャルゲストとして登場しています。単なる限定パッケージにとどまらず、体験としてのイベントまで含めてブランドの世界観を丁寧に届けようとする姿勢が、このコラボレーションからは読み取れます。

こうしたアーティストとの協業は一度きりの企画で終わらせず、複数年にわたって継続的に展開されてきた点も特徴的です。単なる話題づくりではなく、メイクアップという表現行為そのものをアートとして扱う姿勢が、ブランドの根底に流れていることがうかがえます。こうした姿勢は、化粧品を実用品としてだけでなく、自己表現の手段として楽しみたいと考える層からの支持にもつながっているようです。

ロレアル傘下入りと国際展開

shu uemuraは2000年、日本以外での国際展開権をロレアルグループが取得したことで、グローバルブランドとしての歩みを本格化させます。その後2004年には、ロレアルの日本法人が日本国内の株式の過半(52.9%)を取得し、経営権を握る形になりました。以降はロレアルグループのラグジュアリー部門に属するブランドとして、世界各国の百貨店やビューティーストアで展開されています。同じラグジュアリー部門にはランコムやイヴ・サンローラン ボーテといった名だたるブランドが名を連ねており、その中にあってshu uemuraは数少ない日本発のブランドとして独自の存在感を保ち続けています。創業者である植村秀自身は2007年12月29日に肺炎のため79歳で亡くなりましたが、彼が築いた哲学と技術は、ブランドの根幹として現在も受け継がれています。

ヘアケアへの展開 — shu uemura art of hair

メイクアップとスキンケアで培った哲学は、ヘアケアの領域にも広がっています。2017年春に誕生した「シュウ ウエムラ アート オブ ヘア」は、髪と顔は不離一体のものであるという考え方のもと、サロンと連携しながらヘアケアからスタイリングまでを提案するブランドです。単独の製品ラインとしてだけでなく、美容師と顧客がともに髪と向き合うための体験づくりを重視している点が特徴で、メイクアップブランドとして出発したshu uemuraが、美容全体を横断する存在へと育っていった過程をよく表しています。

日本発コスメが世界で評価されるまで

shu uemuraの歩みは、日本発のコスメブランドが海外でどのように評価を広げてきたかを考えるうえでも興味深い事例です。植村秀がハリウッドで培った技術を日本に持ち帰り、そこで生まれた道具や処方がロレアルという海外資本のもとでさらに世界へと展開していくという流れは、日本の美意識と海外の販路・資本力が組み合わさることでブランドが育っていく過程そのものだと言えます。近年は海外で「Jビューティー」と呼ばれる日本発の美容カルチャーへの関心も高まっており、shu uemuraはその中でも早くから国際展開を果たしてきた存在として位置づけられます。

創業者が個人のアーティストとして築いた技術と評判からブランドが生まれ、その後大手資本のもとでグローバル展開を遂げるという成長の型は、化粧品業界に限らずさまざまなブランドに共通して見られるものです。shu uemuraの場合は、創業者本人が現場のプロフェッショナルであったという点が、道具そのものへのこだわりという形でいまも製品づくりに色濃く残っています。

現在の製品ラインナップ

現在のshu uemuraは、メイクアップ(アイシャドウ・リップ・ベースメイク等)、スキンケア、メイクツール(アイラッシュカーラー・ブラシ類)、香水、そしてヘアケアまでを扱う総合的なコスメブランドとして展開されています。店舗では単品での購入はもちろん、複数アイテムをまとめたキットやトラベルサイズの展開もあり、初めて手に取る人でも試しやすい商品構成になっています。季節ごとの限定コレクションやアイシャドウパレットが登場することもこのブランドの楽しみ方の一つで、定番アイテムをベースにしながら、期間限定の色展開やパッケージデザインを追いかけるファンも少なくありません。

販路としては、直営のビューティーブティックのほか、百貨店の化粧品フロア、大手ビューティーストア、公式オンラインショップなど複数のチャネルが存在します。並行輸入品や中古品も市場に流通しているため、購入の際は正規販売ルートかどうかをあらかじめ確認しておくと安心です。チャネルによって購入できるキットやトラベルセットの内容が異なることもあるため、目当てのアイテムが決まっている場合は、事前に公式オンラインショップで取り扱い状況を確認しておくとスムーズに買い物ができます。

shu uemuraの魅力 を 3 社で比較





購入前に押さえておきたいポイント

shu uemuraの製品を選ぶ際は、まず自分がどの用途を優先したいかを整理しておくとよいでしょう。まつ毛のカールにこだわりたいならアイラッシュカーラー、日々のメイクの仕上がりを底上げしたいならブラシ類、クレンジングから見直したいならオイルタイプ、香りやヘアケアまで含めて世界観を楽しみたいなら香水やアート オブ ヘアのシリーズ、という具合に、目的に応じて優先順位をつけると選びやすくなります。特にアイラッシュカーラーは長く使う道具になるため、店頭で実際にまつ毛を挟む感触を確かめてから購入する人が多いようです。

価格帯はアイテムによって幅がありますが、メイクツール類は数千円台、クレンジングオイルは中容量で数千円前後、香水やスキンケアのフルサイズは1万円前後からとされることが多く、トラベルサイズやミニサイズから試すという選び方も一般的です。限定コレクションやコラボアイテムは通常ラインよりも高めの価格設定になることがあり、パッケージデザインや同梱物のボリュームによって価格差が生まれる傾向があります。正規品であることを重視するなら公式オンラインショップや百貨店のカウンターでの購入が安心ですが、ポイント還元や価格面のメリットを求めて大手ビューティーストアや通販サイトを使う人も多く見られます。中古やアウトレット品を検討する場合は、衛生面への配慮からメイクツール類よりもパッケージ未開封の香水やコフレ類を選ぶ人が多い傾向にあります。

村上隆とのコラボレーションのような限定コレクションは発売から時間が経つと入手が難しくなるため、気になるシリーズがあれば発売時期を逃さずチェックしておくことをおすすめします。フリマアプリ等で見かけることもありますが、パッケージの状態や中身の残量、製造からの経過年数を確認したうえで判断すると失敗が少なくなります。

初めてブランドに触れる場合は、いきなりフルサイズのアイテムを揃えるのではなく、トラベルサイズのクレンジングオイルやアイラッシュカーラーの定番モデルなど、価格の負担が少ないアイテムから試してみるのも一つの方法です。実際に使ってみて手ざわりや仕上がりの好みが分かってから、香水やスキンケアのフルサイズ、ヘアケアラインへと少しずつ広げていくと、無理のない形でブランドとの付き合いを深めていけるでしょう。

誕生日や記念日の贈り物として選ぶ場合は、店舗限定の刻印サービスやギフトラッピングを利用すると特別感を演出しやすくなります。アイラッシュカーラーのようなメイクツールは実用性が高く、性別や年代を問わず贈りやすいアイテムのひとつです。相手のメイクの好みが分からない場合は、色や仕上がりの好みに左右されにくいツール類やクレンジングオイルを選ぶと、失敗が少ない贈り物になるでしょう。逆に相手の好みがある程度分かっている間柄であれば、限定コレクションのアイシャドウパレットのような華やかなアイテムを選ぶのも喜ばれやすい選択です。

shu uemuraについてよくある質問

Q. shu uemuraは日本のブランドですか?
A. はい、日本人メイクアップアーティストの植村秀が興したブランドで、現在はロレアルグループの傘下に入っていますが、ルーツは日本にあります。

Q. アイラッシュカーラー以外に代表的な製品はありますか?
A. 1967年発売のクレンジングオイルも長年支持されている看板アイテムです。メイクブラシや、近年は香水・ヘアケアラインの展開も広がっています。

Q. どこで購入するのが安心ですか?
A. 正規品であることを重視するなら、公式オンラインショップや百貨店の直営カウンター、大手ビューティーストアでの購入がすすめられます。

Q. 中古品を購入しても問題ありませんか?
A. 衛生面が気になるメイクツール類は状態をよく確認し、香水やパッケージ品は未開封であるかを必ずチェックすることが大切です。

Q. shu uemura art of hairとはどう違いますか?
A. 2017年に誕生したヘアケア専門のシスターブランドで、shu uemura本体のメイクアップ・スキンケアとは製品ラインが分かれています。

Q. 村上隆とのコラボアイテムはいまも購入できますか?
A. 2013年と2016年の限定コレクションはすでに販売を終了しているため、店頭では基本的に入手できません。中古市場やフリマアプリで見かけることがある程度です。

Q. アイラッシュカーラーは種類がいくつもありますが、どう違うのですか?
A. 定番モデルのほかに、部分的なカール用に発売されたSカーラー(2013年発売)や、ダブルエッジ・テクノロジーを採用した最新モデルのアイラッシュカーラーW(2025年発売)など、まつ毛の形やこだわりに応じて選べる複数のモデルが展開されています。

Q. 表参道の店舗でしか体験サービスは受けられませんか?
A. メイクアップレッスンのような体験型コンテンツは表参道のフラグシップ店が中心ですが、店舗によって刻印サービスやギフトラッピングなど扱いが異なるため、事前に店舗検索で確認しておくと安心です。

shu uemuraは、一人のメイクアップアーティストが現場で培った技術を出発点に、日本発のブランドとして世界に広がっていった稀有な例です。アイラッシュカーラーやクレンジングオイルという一つひとつの道具へのこだわりから始まった発想は、村上隆とのコラボレーションのような現代アートとの交わりや、表参道での体験型レッスンといったサービス面での広がりを経て、いまではメイクアップからスキンケア、香水、ヘアケアまでを包括するブランドへと育っています。

創業者である植村秀が2007年に世を去ったあとも、ブランドが体現してきた「道具そのものにこだわる」という姿勢はいまなお変わっていません。2025年発売の新型アイラッシュカーラーのような技術開発や、アーティストとのコラボレーションといった動きを見る限り、創業から半世紀以上が経ったいまも、このブランドはまだ成長を止めていないと言えるでしょう。道具へのこだわりという原点を意識しながら製品を選ぶと、shu uemuraという一つのブランドの奥行きをより深く、そして長く味わい続けられるはずです。

編集方針について — この記事は GUZ FASHION 編集部のDOMESTIC BRANDカテゴリの編集方針に沿って制作されています。

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