GUIDE

川越の古着屋・セレクトショップ — 蔵造りの町で見つける7店

蔵造りの町並みと、若い個人店が息づく川越

埼玉県川越市は「小江戸」の愛称で知られ、蔵造りの町家が連なる一番街には、着物姿の観光客と地元の学生が同じ通りを行き交います。江戸から明治にかけて舟運と商業で栄えた歴史が、今も町並みという形でそのまま残っているのが川越の特徴です。時の鐘や菓子屋横丁といった観光名所のすぐ裏手には、古い建物をそのまま活かした小さな古着店が点在しており、観光地としての顔と、日常的にファッションを楽しむ若者の街としての顔がひとつの町に重なっているのが川越の面白さです。観光ガイドには載らない細い路地に、思いがけない一軒がひっそりと隠れていることも少なくありません。

川越の古着屋は、下北沢や高円寺のように一つの通りに密集しているわけではなく、菅原町や中原町、久保町といった駅からやや離れたエリアに一軒ずつ分散しているのが特徴です。そのため、地図を片手に路地を歩きながら偶然の一軒に出会う、宝探しのような楽しみ方が向いています。密集エリアを歩き尽くす古着巡りとは違い、目的地からエリアの雰囲気ごと味わえるのが川越らしい歩き方だと言えるでしょう。一軒ごとの距離があるぶん、店に着いたときの高揚感も大きくなります。学生の街でもあることから、手頃な価格帯のストリート系古着から、店主の目利きが光るインポートヴィンテージまで、客層の幅に応じた店が育ってきました。川越には複数の大学のキャンパスがあり、日常的に街を歩く若い世代の存在が、古着店の新陳代謝を支えている面もあるようです。近年は蔵や古民家をリノベーションした新しい店の開業も相次いでおり、古い町並みに新しい感性が加わり続けています。東京都心から電車で30分ほどという近さも、若い店主が独立して店を構えやすい理由のひとつになっているようです。家賃相場が都心ほど高くないぶん、大きな資本に頼らずに個人の感性だけで勝負できる余地が残っているのだと想像できます。

今回GUZ編集部は、川越市内で営業を確認できた独立系の古着店7店を、Web上の公式情報とメディア掲載記事をもとに検証してまとめました。老舗のインポートセレクトから、2025年に開業したばかりの新しい店まで、それぞれの個性を紹介します。全国チェーンの大型リユース店も川越には出店していますが、今回はあえてそれらを外し、店主の目利きと個性がそのまま棚に表れる独立系の店だけに絞り込みました。同じ「川越の古着」という括りでも、店ごとに扱うテイストや価格帯、雰囲気は大きく異なるため、一店だけで判断せず何軒か回ってから好みを絞り込むのがおすすめです。

同じ「川越の古着」という括りでも、店ごとに扱うテイストや価格帯、雰囲気は大きく異なるため、一店だけで判断せず何軒か回ってから好みを絞り込むのがおすすめです。

菅原町から久保町まで、川越で見つかる古着店7店

ROOTS — 世界のカジュアルをミックスするインポートセレクトの老舗

2005年創業のROOTSは、川越の古着シーンでは老舗格にあたるインポートセレクトショップです。世界各国から集めたカジュアル古着に、ミリタリーやアウトドア、スポーツウェアをミックスした品揃えが特徴で、手頃な価格帯の掘り出し物からしっかりしたヴィンテージまで幅広く扱っています。長く営業を続けている分、地元での認知度も高く、リピーターとして通う常連客の姿もよく見られます。ジャンルを一つに絞らない構成なので、あれこれ迷いながら一枚を選びたい人に向いている店です。営業時間は資料によって表記に幅があるため、訪問前にInstagramで最新情報を確認しておくと安心です。オンラインストアも運営しており、店頭で気になった商品を後から探し直すこともできます。棚の並びはジャンルごとに緩やかに分かれているので、目当てのテイストが決まっている人は迷わず目的の一角に向かえますし、決まっていない人はゆっくり端から見て回るだけでも発見があります。川越の古着店の中では品揃えの幅広さで抜きん出た存在だと言えるでしょう。

BON9 — 「安くてカッケェ」を掲げるストリート系古着店

「安くてカッケェが1番いい」というコンセプトを掲げるBON9は、ストリート系・アメカジ中心の品揃えで学生からの支持を集める店です。学生でも手が届く価格帯を意識しているため、古着を初めて本格的に楽しみたい人の入り口としても向いています。新着商品はほぼ毎日のようにInstagramで告知されており、フォロワー数の多さからも更新頻度の高さが伝わってきます。営業時間や定休日は資料によって記載が分かれているため、来店前にSNSで直近の投稿を確認しておくのが確実です。回転の速い品揃えなので、気になる一枚があれば早めに決めるくらいの気持ちで臨むとよいでしょう。価格を抑えつつも一癖ある古着を選びたいという学生や若い世代のニーズを的確に拾っており、川越の古着シーンの裾野を広げてきた存在だと感じます。

LowJack — ミリタリーとデニムに強い、2011年開業のアメカジ専門店

2011年に開業したLowJackは、ミリタリーウェアとデニムを軸にしたアメカジ古着の専門店です。近隣には姉妹店の「LowJack antiques」もあり、古着とアンティーク雑貨を回遊しながら楽しめる構成になっています。開業から10年以上が経過した現在も地域の古着店検索サイトに現行店舗として掲載され続けており、地元での定着度の高さが見て取れます。一時の流行に左右されず、同じテイストを貫き通してきたことこそが長寿の理由なのだろうと感じさせられます。ミリタリーの実物ヴィンテージから、太めのシルエットが特徴のヴィンテージデニムまで、テイストが一貫しているので、好みが定まっている人ほど掘り出し物を見つけやすい店です。姉妹店のアンティークショップと合わせて訪ねれば、古着とインテリア雑貨の両方をまとめて楽しめるのも川越らしい回遊のしかたです。定休日は木曜のため、木曜日の来訪は避けるのが無難です。

kula acb — オールドマウンテンバイクまで扱う、老舗インポート店

2001年創業のkula acbは、アメリカ古着やインポートウェア、ミリタリーに加えて、オールドマウンテンバイクまで扱うという珍しい品揃えの老舗です。インポートウェアの卸売も手がけており、単なる小売店にとどまらない業界内でのポジションを築いてきました。長年の営業実績がある一方で、詳細な営業時間や定休日の情報は資料によってばらつきがあるため、来店前に電話で在店状況を確認しておくことを強くおすすめします。自転車と古着という組み合わせに惹かれる人には、他の店では味わえない掘り出し物との出会いが期待できます。インポートウェアの卸売まで手がけてきた経緯から、目利きの確かさには定評があり、少し値の張る一枚を探しているときほど頼りになる店だという声も聞かれます。

natume used&vintage — 2025年開業、レディース寄りの新店

2025年3月に開業したばかりのnatume used&vintageは、レディース寄りのユーズド・ヴィンテージを扱う新しい店です。開業間もないながらもInstagramでのフォロワー数と投稿数が着実に伸びており、日々の入荷情報を楽しみにしているファンの多さが見て取れます。中原町エリアという、老舗のkula acbにも近い立地にあり、あわせて訪れることで新旧の店の雰囲気の違いを比べる楽しみもあります。レディースアイテムを重点的に探している人には、川越の古着店の中でも特に相性のよい選択肢です。営業時間は13時からとやや遅めなので、午後の予定として組み込むのがおすすめです。開業から日が浅い分、店主の好みがそのまま棚に反映されている初々しさがあり、これからどんな色に育っていくのか楽しみな店でもあります。

古着屋 縁 -ENISHI- — 洗練された店内が印象的な、2025年開業の新店

本川越駅から徒歩8分ほどの久保町にある古着屋縁-ENISHI-も、2025年3月に開業した新しい店です。地域メディアの開業記事でも取り上げられており、洗練された店内づくりが印象的だと紹介されています。ヴィンテージ衣料を中心とした品揃えで、店舗前に駐車場を備えているため、車での来訪にも対応しやすいのが川越らしい特徴です。開業から日が浅い分、これから川越の古着シーンでどのような立ち位置を築いていくのか注目したい店でもあります。落ち着いた内装づくりからは、単に古着を並べるだけでなく空間そのものを楽しんでもらいたいという意図が感じられ、じっくり時間をかけて選びたい人に向いています。定休日は水曜のため、水曜を避けて訪れるのがおすすめです。

古着屋 小判鮫 — 築80年の古民家で、店主が選び抜いたTシャツを扱う店

弁天横丁の入口近く、札の辻交差点付近にある古着屋小判鮫は、築80年の古民家をそのまま活かした店構えが目を引きます。取材記事によれば2022年ごろの開業で、「気づけば数年続いている」というオーナー自身の言葉からも、地域に根づいてきた様子がうかがえます。Tシャツを中心に、店主が「本当に好きな服」だけを厳選して並べるスタイルで、オリジナルアクセサリーも取り扱っています。気兼ねなく立ち寄れる雰囲気づくりを大切にしているとのことで、古着屋に入るのが少し緊張するという人にも向いている店です。弁天横丁という、観光の定番コースからは少し外れた路地にあるぶん、地元の人にも観光客にも新鮮な発見として映るはずです。古民家という建物自体の趣も、この店を訪れる理由のひとつになっています。営業時間は平日と土日祝で異なるため、訪問前の確認をおすすめします。

川越の古着店を巡るなら

川越の古着店は蔵造りの町並みからやや外れた住宅街寄りのエリアに点在しているため、観光の合間に立ち寄るというより、古着巡り自体を目的にしたコースを組むのが向いています。本川越駅を起点に、久保町のENISHIと弁天横丁近くの小判鮫を歩いて回り、そこから中原町方面へ足を延ばしてkula acbとnatume used&vintageを見比べる、という流れなら無理なく一巡できます。菅原町のROOTSとBON9、脇田町のLowJackはやや距離があるため、レンタサイクルを使うと移動が格段に楽になります。駅前や一番街周辺にはレンタサイクルの拠点がいくつかあり、観光客向けの設備が整っているのも川越の利点です。徒歩だけで全店を回ろうとすると1日仕事になってしまうので、体力や時間に合わせてエリアを絞り込むのも賢い選び方です。観光で訪れる場合は、午前中に一番街や時の鐘といった定番スポットを回り、午後から古着店巡りに切り替えるという組み立て方がおすすめです。新しく開業した店は営業時間が流動的なことも多いため、当日の朝にもう一度SNSで確認しておくと、無駄足を防げます。川越は東京都心から電車で30分ほどとアクセスも良く、日帰りでも十分に古着巡りと観光の両方を楽しめる距離感です。休日は観光客で一番街が混み合う一方、古着店が点在するエリアは比較的落ち着いているため、混雑を避けてゆっくり買い物をしたい人には午後からの古着店巡りが特におすすめの過ごし方になります。

まとめ

川越の古着シーンは、老舗のROOTSやkula acbが築いてきた土台の上に、2025年開業のnatume used&vintageやENISHIといった新しい店が加わり、世代の異なる店が同じ町に共存しているのが特徴です。蔵造りの町並みを歩く観光と、路地裏の一軒を探す古着巡りという二つの楽しみ方を組み合わせられるのは、川越ならではの魅力だと言えるでしょう。老舗が築いてきた信頼と、新しい店が持ち込む勢いの両方が同居しているぶん、何度訪れても違う発見がある街だと感じます。観光地としての知名度が先に立ちがちな川越ですが、路地を一本入れば、店主それぞれの美意識がそのまま反映された小さな古着店が待っています。次に訪れるときは、定番の観光コースから少し外れて、そうした店を巡る時間を意識的に作ってみてはいかがでしょうか。古着屋エリアガイドで他の街との違いを見比べたり、全国の古着屋・セレクトショップ1,492店データベースで近隣エリアの店を探したりしながら、次の休日にでも川越をゆっくり歩いてみてはいかがでしょうか。

編集方針について — この記事は GUZ FASHION 編集部のGUIDEカテゴリの編集方針に沿って制作されています。

SHARE

「GUIDE」で読まれている

あなたへのおすすめ