川崎は東京と横浜に挟まれた工業都市というイメージが強い街ですが、実は独立系の古着店が根強く息づいているエリアでもあります。京急川崎駅からJR川崎駅にかけての繁華街には、アメカジやミリタリー、ヨーロッパ古着、さらにはサッカーユニフォームやヴィンテージスニーカーといった専門ジャンルに特化した個人店が点在していて、東京や横浜の有名エリアとは違う独自の古着文化を築いてきました。工業地帯としての歴史を持つ川崎らしく、実用性を重視したワークウェアやミリタリー系のアイテムに強い店が多いのも特徴のひとつで、飾り気のない実用本位のアメカジを探している人にとっては、東京の有名エリアよりもむしろ相性の良い街だと言えるかもしれません。羽田空港からのアクセスも良く、京急線一本で都心と成田・羽田方面の両方につながる立地の良さも、川崎という街の隠れた利点になっています。旅行や出張で羽田を利用する機会があれば、移動の合間に立ち寄って古着屋巡りを楽しむという使い方もできるでしょう。
川崎の古着店は、京急川崎駅周辺の砂子・貝塚エリアと、JR川崎駅から少し離れた幸区・中原区の元住吉エリアに分かれて点在しています。同じ川崎市内でも、駅前の繁華街にある店と、住宅街の一角にひっそりと構える店とでは雰囲気がまったく異なり、川崎という街の多面性を感じられるのが古着屋巡りの面白さです。工業都市として発展してきた歴史の一方で、近年は再開発によってタワーマンションやショッピングモールも増え、新旧の街並みが混在しているのも川崎らしい風景だと言えます。この記事では、実在と営業継続を確認できた独立系の古着店を4軒紹介します。閉店や移転の情報が錯綜しやすい個人店だからこそ、訪問前には各店の公式Instagramで最新の営業状況を確認しておくことを強くおすすめします。
川崎駅周辺と元住吉エリアの古着店
SCAR TISSUE — 川崎駅東口のアメリカ古着セレクト
川崎区貝塚に店を構えるSCAR TISSUEは、アメリカから買い付けた古着を中心にセレクトしている店です。JR川崎駅東口から徒歩9分、地下街アゼリアの36番出口を直進した先にあり、駅からのアクセスも比較的わかりやすい立地です。14時から21時までの営業で月曜が定休日、夕方から夜にかけても開いているため、仕事帰りに立ち寄りやすいのも利点です。ミリタリーやワーク系のアイテムを中心に、実用性のある古着が並んでいる印象で、飾らないアメカジのコーディネートを組みたい人に向いています。営業終了が21時と遅めのため、他のエリアで日中に用事を済ませたあと、夜に川崎で古着を見て帰るという一日の締めくくり方もできる店です。
LATHRILLS — アメリカンビンテージとアウトドア古着の専門店
幸区南幸町のビル1階にあるLATHRILLSは、アメリカンビンテージウェアとアメカジ、ミリタリー、アウトドア古着を中心に扱う専門店です。10時から19時までの営業で、日曜は12時からと少し遅めのスタート、水曜と金曜が定休日となっています。JR川崎駅の西側に位置しており、東口の賑わいとはまた違う落ち着いた雰囲気のなかで、じっくりとアイテムを選ぶことができます。アウトドアウェアとミリタリーを軸にしたセレクトは、機能性とヴィンテージらしい風合いを両立させたい人にとって頼りになる店です。開店が10時と他店より早いため、朝から古着屋巡りを始めたい人にとっては、川崎での最初の一軒として組み込みやすいという利点もあります。
NEWJOKE — 京急川崎駅前の路面店
川崎区砂子の橋爪ビル1階に店を構えるNEWJOKEは、京急川崎駅から徒歩3分ほどの好立地にある古着店です。12時から21時までと営業時間が長く、駅前の繁華街を歩いているとふらりと立ち寄りやすい路面店の造りになっています。京急川崎駅と京急川崎駅前商店街に近いという立地の良さもあって、他の用事のついでに覗いてみるという気軽な使い方ができる店です。駅チカという条件は、電車での移動が中心の古着屋巡りにおいて何よりの利点になります。営業時間が長いぶん、SCAR TISSUEやLATHRILLSを回ったあとの締めくくりに立ち寄るという使い方もしやすく、川崎駅周辺を巡る一日の最後に組み込みやすい店です。
GROWER — 元住吉の住宅街に佇むヴィンテージセレクト
中原区木月の日生ハイツ1階にあるGROWERは、元住吉駅から徒歩数分の住宅街の一角に店を構えるヴィンテージセレクトショップです。12時から18時までの営業で火曜が定休日、駅前の繁華街から少し離れた落ち着いた立地にあるため、目的を持って訪れる人が中心の店だと言えます。一着あたりの価格帯はやや高めの設定で、状態や希少性にこだわって買い付けられたアイテムが並んでいる印象です。川崎駅周辺の3軒とは違うエリアにあるため、訪れる際は移動時間を計算に入れて計画するとよいでしょう。閉店時間が18時と早めなので、元住吉を訪れる日はこの店を先に回ってから、川崎駅方面へ移動するという順番で計画を立てるのがおすすめです。
旅行や出張で羽田を利用する機会があれば、移動の合間に立ち寄って古着屋巡りを楽しむという使い方もできるでしょう。
川崎という街の成り立ち
川崎市は東京湾に面した工業地帯として発展してきた歴史を持ち、京浜工業地帯の中核として重化学工業を支えてきました。戦後は多くの労働者が全国から集まり、川崎駅周辺には彼らの生活を支える商店街や飲食店が形成されていった経緯があります。そうした庶民的な街の空気は今も色濃く残っていて、東京都心のような洗練された雰囲気とは違う、生活に根ざした親しみやすさが川崎の魅力のひとつになっています。近年は駅前の再開発が進み、大型商業施設やタワーマンションが立ち並ぶエリアも増えましたが、一本裏の通りに入ると昔ながらの商店や個人店が今も営業を続けており、新旧が入り混じった独特の街並みを見ることができます。古着店もそうした古い建物の一角に店を構えていることが多く、街の歴史を感じながら古着屋巡りができるのも川崎ならではの体験だと言えるでしょう。ネオンサインの残る古い商店街の看板と、新しくできたガラス張りの高層ビルが同じ通りに並んでいる光景は、川崎という街の歴史の重なりをそのまま映し出しています。
川崎という街の古着文化
川崎は京浜工業地帯の中心として発展してきた歴史を持つ街で、工場労働者の作業着として使われてきたワークウェアやミリタリーウェアが、古着として流通しやすい土壌があったと考えられます。SCAR TISSUEやLATHRILLSのようにミリタリーやワーク系に強い店が多いのも、そうした街の成り立ちと無縁ではないでしょう。一方で、川崎はJリーグのクラブを本拠地に持つサッカーの街としても知られていて、市内にはサッカーユニフォームを専門に扱う古着店も存在すると言われています。工業都市としての実用性とスポーツ文化という、一見結びつきにくい二つの要素が古着シーンのなかに共存しているのが、川崎の面白いところだと言えます。サッカー観戦の前後に古着屋を巡るという楽しみ方ができるのも、他のエリアにはない川崎らしい過ごし方のひとつです。試合のある日は駅前が普段以上に賑わうため、混雑を避けたい場合は試合開始のかなり前か、終了後に少し時間を空けてから古着店を訪れるのがよいでしょう。東京都心や横浜に比べると観光地としての知名度は控えめですが、そのぶん家賃相場が落ち着いているためか、掘り出し物に出会える可能性を感じさせる店が多いのも川崎らしい特徴です。
回り方とアクセスの目安
川崎駅周辺のSCAR TISSUE・LATHRILLS・NEWJOKEの3軒は、JR川崎駅や京急川崎駅から徒歩圏内にまとまっているため、半日もあれば十分に回りきることができます。一方、GROWERのある元住吉エリアは東急東横線・目黒線でひと駅移動する必要があるため、川崎駅周辺の3軒を先に回ってから、電車で元住吉へ移動するという計画を立てるとスムーズです。川崎駅から元住吉までは乗り換えを含めても20分程度で、東京都心からのアクセスも良いため、都内からの日帰りコースにも組み込みやすいエリアです。開店時間がLATHRILLSの10時からNEWJOKE・SCAR TISSUEの12時台まで店ごとに異なるため、朝から効率よく回りたい場合は開店時間の早いLATHRILLSから始めるとよいでしょう。
個人店は在庫の入れ替わりが早く、定休日も店ごとに異なるため、複数軒を回る際は事前に営業日を確認してから計画を立てることをおすすめします。現金のみの店も見られるため、多めに現金を用意しておくと安心です。川崎駅周辺は飲食店も充実しているので、古着屋巡りの合間に食事を挟みながら一日を過ごすという計画も立てやすい街です。特に川崎駅東口から南武線沿いにかけては、コリアンタウンとして知られる商店街もあり、古着屋巡りのあとに食事を楽しむ選択肢が豊富なのも川崎の魅力のひとつです。夏場は工業都市らしく内陸側の気温が上がりやすいため、こまめな休憩を挟みながら回るとよいでしょう。冬場は東京湾からの風が冷たく感じられることもあるため、防寒対策をしたうえで古着屋巡りに臨むことをおすすめします。
価格帯とサイズ確認のコツ
川崎の古着店は、東京都心の有名エリアと比べると全体的に価格が落ち着いている印象があります。SCAR TISSUEやNEWJOKEのように駅前の路面店であっても、家賃相場が都心ほど高くないためか、状態の良いアイテムを手頃な価格で見つけやすい傾向があります。一方でGROWERのように、状態や希少性にこだわって仕入れたアイテムをやや高めの価格で展開する店もあり、川崎の中でも店ごとに価格帯の幅があることを踏まえて回るとよいでしょう。ミリタリーウェアやワークウェアは現行品とサイズ規格が大きく異なることが多く、肩幅や着丈の実寸を確認せずに購入すると、着てみたときの印象が想像と違うことがあります。LATHRILLSのようにアウトドアウェアを扱う店では、レイヤードを想定してワンサイズ大きめを選ぶかどうかも、試着をしながら判断するのが確実です。デニムパンツは股上や裾幅がブランドや年代によって大きく異なるため、複数本を試着して比較しながら選ぶことをおすすめします。特にヴィンテージデニムは洗濯による縮みや個体差が大きいため、タグの表記だけでなく、実際にウエストや太もも周りに手を通してフィット感を確認しておくと、購入後のミスマッチを防ぎやすくなります。試着室が狭い個人店も多いため、荷物を最小限にして訪れると、スムーズに試着ができておすすめです。会計方法も店によって現金のみか電子決済対応かが分かれるため、事前に確認しておくと当日の買い物がよりスムーズになります。
まとめ
川崎の古着店は、東京や横浜のような有名エリアとは一線を画す、実用性を重視したアメカジやミリタリーが根強く息づく街です。工業都市としての歴史とサッカーの街としての顔を併せ持つ川崎ならではの古着文化を、駅前の繁華街と元住吉の住宅街という異なる二つのエリアで味わうことができます。都心からのアクセスの良さも含めて、週末に気軽に立ち寄れる古着屋巡りの行き先として検討する価値のある街です。4軒とも個人経営の小さな店ですが、それぞれ異なる強みを持っているため、一度にすべてを回りきらなくても、興味のあるジャンルから少しずつ訪れてみるという楽しみ方もできます。個人店は在庫の入れ替わりが早いぶん、一度訪れただけでは店の全体像をつかみきれないこともあります。気に入った店があれば公式Instagramをフォローしておき、季節ごとの入荷情報を追いかけながら定期的に通ってみると、川崎の古着シーンの奥行きをより深く味わえるはずです。東京都心から電車で20分ほどという距離感も、気軽に通える古着屋巡りの行き先として川崎を選ぶ理由になるでしょう。神奈川県で他の古着エリアを探している場合は鎌倉の大人セレクトショップガイドも参考にしてください。同じ神奈川県内でも鎌倉とはまったく異なる雰囲気の古着屋巡りが楽しめるので、あわせて訪れてみるのもおすすめです。全国の古着屋の分布は全国の古着屋・セレクトショップデータベースでも紹介しているので、次の古着屋巡りの計画を立てる際にあわせて役立ててください。











