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新潟の古着屋 — 古町・西堀前通を巡る6店

新潟市の古着屋は、信濃川の西側に広がる古町の一帯に集まっています。古町通の三番町から五番町にかけて、アーケードの下や上階の小さな区画に店が点在し、そこから西堀前通や一番堀通町へ路地を折れると、また別の店が現れます。かつて北陸随一の繁華街として賑わった古町は、郊外型の商業施設に客足を譲った時期を経て、いまは家賃の下がった建物に若い店主が入り込むかたちで、少しずつ表情を変えてきました。古着屋の増え方は、その変化のいちばん分かりやすい現れです。

新潟の店に共通しているのは、雪と長い冬を前提にした品ぞろえです。厚手のウールコートやミリタリーのライナー、裏起毛のスウェットといった、実際に着て寒さをしのげるものが年間を通して一定量あります。一方で夏の湿気も強い土地なので、麻や薄手の綿の実用着も並びます。四季の振れ幅が大きい地域の古着屋は、季節ごとに棚がまるごと入れ替わるため、同じ店を半年後に訪れるとまったく違う印象を受けることも珍しくありません。また、市内には無人営業の店も増えていますが、この記事では店主やスタッフが在店して選定の意図を伝えている店を軸にしました。

この記事では、古町・西堀前通・水道町を中心に、実際に営業を確認できた独立系の古着店を6軒選びました。全国展開のチェーン店は外しています。新潟の個人店は買い付けのために長期休業することがあり、営業時間も平日と休日で変わる店が多いため、遠方から向かう場合は各店のInstagramで直近の告知を確かめてから出かけてください。

古町通の古着店

THIS MAN — 旅をするように選ぶジャンルレスの棚

古町通四番町にあるTHIS MANは、2020年の秋に開いた店です。ジャンルを限定せず、ヨーロッパの古着からバンドTシャツ、ハイブランドのアイテムまでが同じ空間に並びます。ばらばらに見えて成立しているのは、年代や産地ではなく状態と佇まいで選んでいるからで、一枚ずつ吟味された結果として棚に統一感が生まれています。服だけでなく家具や雑貨も扱っており、部屋全体の質感をそろえたいという相談にも応じられる構成です。正午から夜8時まで無休で開いているので、新潟の古着屋巡りの起点にしやすい一軒でもあります。棚の前で迷ったときに、どういう場面で着るのかを伝えると、想定していなかった提案が返ってくることがあり、そこがこの店に通う理由になります。古町通に面したガラス張りの店構えで入りやすく、はじめて新潟で古着を探す人が方向をつかむのにも適しています。

ONE DAY STORE — Tシャツ千点超をメンテナンスして並べる

古町通三番町のONE DAY STOREは、Tシャツを最大で千点以上そろえることで知られる店です。数だけでなく、一枚ずつ洗いと補修の手を入れてから並べているのが特徴で、古着特有の匂いや汚れに抵抗がある人でも安心して手に取れます。価格帯は手頃なレギュラー古着から希少なヴィンテージまで幅広く、はじめの一枚を探す人にも、特定のプリントを追いかけている人にも応えられる厚みがあります。万代エリアにも店を構えているため、新潟駅側から動く場合はそちらと組み合わせる選択もできます。定休日の記載が出典によって異なるため、訪問前にInstagramで当日の営業を確かめておくと確実です。プリントの年代やタグの見方を尋ねれば説明が返ってくるので、Tシャツの目利きを覚えたい人には教材のような棚になります。

snoob — レア度を明示するグッドレギュラーの店

古町通五番町のsnoobは、1990年代以降のいわゆるグッドレギュラーを軸にした店です。特徴的なのは、商品ごとに独自の基準でレア度を表示している点で、値付けの根拠が客に見えるかたちになっています。古着の価格は不透明になりやすい領域ですが、どこを評価しているのかが分かると、自分の判断基準と店の基準を照らし合わせながら選べます。正午から夜8時までの営業で水曜が定休、加えて不定休があるため事前確認が必要です。ヴィンテージの相場から少し離れて、日常的に着る一枚を納得して買いたい人に向いています。古町通五番町はアーケードの北の端にあたり、ここまで歩けば一帯をひと通り見終えたことになるので、締めの一軒として置くと収まりがよくなります。

服だけでなく家具や雑貨も扱っており、部屋全体の質感をそろえたいという相談にも応じられる構成です。

西堀前通・水道町・一番堀通町の古着店

FALL vintage — 元床屋の空間に並ぶ60年代から90年代

一番堀通町のFALL vintageは、かつて床屋だった建物をそのまま活かした店です。タイル張りの内装や古い鏡がそのまま残り、アメリカと日本で買い付けた1960年代から1990年代の古着が、空間の年季と釣り合った形で並びます。レディースを中心にしたセレクトで、色柄のはっきりしたワンピースやブラウス、装飾のあるニットなど、いまの量販店では作られない仕立てのものが目立ちます。午後1時から7時までの営業で木曜が定休なので、夕方に回るなら早めの時間に組み込むのが安全です。空間ごと楽しめる店なので、写真を撮りたくなる人にも向いています。堀を埋めた通りの名残が残る一番堀通町という立地も、店の時間感覚と釣り合っています。

&MOTEL — 90年代スケーターとアメカジの温度感

西堀前通五番町の&MOTELは、2021年の初夏に開いた店です。1990年代のスケータースタイルやアメリカンカジュアルを軸に、クラシックな雰囲気の内装のなかに古着が並びます。ワイドなチノやフランネルシャツ、プリントスウェットといった、当時の街の空気をそのまま持ってきたようなアイテムが中心で、年代の再現度を大事にしている姿勢が伝わります。正午から夜8時までの営業です。定休日については出典で確認が取れなかったため、訪問前にInstagramで直近の営業告知を見ておくことをおすすめします。古町から西堀前通へ抜ける動線上にあり、他店と合わせて回りやすい位置です。

Tiny Place — 移動販売から実店舗になった海沿いの店

水道町のTiny Placeは、移動販売というかたちで始まり、その後に実店舗を構えた店です。日本海に近い立地で、店内は開放感のあるつくりになっており、一点ずつじっくり見られる余裕があります。セレクトの基準として掲げているのは、単に売れるものではなく「売れる理由がある」と感じたものだけを置くという考え方で、点数を絞って質を見せる構成です。平日は午後1時から7時、土日祝は11時から7時までの営業で水曜が定休、敷地内に駐車場があるため車で訪れる人にも使いやすくなっています。古町の徒歩圏からは少し離れるので、一日の最後か最初に回すと動きに無理がありません。海沿いまで足を伸ばす道中の景色も含めて、街なかの店とは違う時間の流れ方をする一軒です。

新潟で古着を選ぶときの実践ポイント

新潟の古着屋を回るうえで最初に意識したいのは、冬物の厚みが街全体の強みになっているという点です。ウールコートやミリタリーのライナー、厚手のニットは、雪国の店ならではの残り方をしていて、同じものを首都圏で探すより選択肢が多い場面があります。逆に真夏に訪れると薄手の実用着が中心になるため、狙いがある場合は季節を合わせて訪れるほうが効率的です。

もうひとつ、新潟市内は無人営業の古着屋が増えており、それらは価格帯が抑えられているぶん、選定の意図や状態の説明を受けられません。この記事で取り上げた有人の店は、なぜこの一枚を仕入れたのかを聞ける場所です。予算を抑えたい買い物と、理解を深めたい買い物を分けて考え、店の使い方を切り替えると満足度が上がります。

選ぶ基準そのものを持っておくと、棚の前での判断が速くなります。古着の実用着を源流に据えつつ、日常の道具として作り直している国内ブランドを一つ知っておくと比較の軸ができます。素材と縫いの必要性だけで服を組み立てているYAECAのつくりを見ておくと、THIS MANやTiny Placeの棚に並ぶ一枚が、装飾を削いだ結果なのか単に簡素なだけなのかを見分ける手がかりになります。

価格帯とサイズの見立て方

新潟の独立系古着店の価格帯は、レギュラー古着で数千円台、状態のよいヴィンテージや希少なプリントもので一万円台から数万円というあたりが目安です。地方都市は首都圏より相場が落ち着いていると言われますが、実際には買い付けの原価が同じなので、極端に安いわけではありません。安く見えるものはそれだけ状態に理由があると考え、生地の薄さや補修跡を確かめてから判断するのが確実です。

サイズについては、アメリカ古着とヨーロッパ古着で基準が違う点に注意が必要です。アメリカの実用着は肩幅と身幅にゆとりのある型が多く、表記より小さめでちょうどよくなることがあります。ヨーロッパのものは着丈が短く袖が細い傾向があり、表記通りでも腕回りが窮屈に感じることがあります。厚手のニットやコートは中に着るものの分だけ余裕が必要なので、冬物は一枚上のサイズで試すのが実務的です。

入荷のタイミングも押さえておくと動きやすくなります。買い付けから戻った直後は棚が一気に更新されるため、Instagramで入荷の告知を追っておくと狙いを持って訪れられます。冬物の入荷は秋の入り口に集中するので、コートを探すなら9月から10月に動くのが有利です。

効率よく巡るための道順と時間帯

古町の古着屋はほとんどが正午から午後1時のあいだに開きます。午前中は開いている店がまずないため、新潟駅側で用事を済ませてから移動するのが現実的です。閉店は夜7時から8時にそろっているので、正午過ぎに古町へ入れば5軒程度は無理なく回れます。

道順としては、古町通三番町のONE DAY STOREから北へ向かって四番町、五番町と抜け、そこから西堀前通と一番堀通町の店へ折れる流れが移動距離を抑えられます。水道町のTiny Placeは古町の徒歩圏から少し離れるため、車やバスで最初か最後に回すのが無理のない配分です。古町一帯はアーケードがあるので、雨や雪の日でも移動の負担が小さいのは新潟の利点です。

定休日は水曜と木曜に集中する傾向があるため、平日に訪れるなら週の前半か後半に寄せると空振りを避けられます。冬季は積雪で歩行に時間がかかるほか、日没が早く暗くなってからの移動になりがちなので、時間の見積もりに余裕を持たせておくと安心です。支払いは現金のみの店も残っているため、いくらか用意しておくとよいでしょう。

古町という街の変化と古着屋

古町は江戸期の湊町から続く商業地で、昭和のあいだは百貨店と映画館が並ぶ北陸屈指の繁華街でした。その中心性が郊外のショッピングモールへ移っていく過程で空き区画が増え、同時に家賃も下がりました。個人が小さな店を構える余地が生まれたのはそのためで、飲食や美容と並んで古着屋がこの一帯に入り込んでいったのは、ここ10年ほどの動きです。アーケードの下という条件は、雪の多い土地では大きな意味を持ちます。傘を差さずに何軒も回れることが、街歩き型の買い物を成立させています。

店主の世代が比較的若いのも新潟の特徴です。首都圏の古着屋で経験を積んで戻ってきた人、移動販売から始めて実店舗に育てた人、開業して数年という人が同じ通りに並び、互いの店を紹介し合う空気があります。そのため一軒で「このあたりだと、あの店にありそうです」という案内を受けることがあり、行き先が自然に増えていきます。数の多さで押す街ではないぶん、店同士のつながりが回遊を支えているという構造です。

まとめ

新潟市の古着屋は、繁華街としての古町が形を変えていく過程で厚みを増してきた集積です。ジャンルを限定せず状態で選ぶ店、Tシャツを千点そろえてメンテナンスする店、元床屋の空間に60年代を並べる店、移動販売から実店舗になった店と、成り立ちの違う店が徒歩圏に並んでいます。雪国らしい冬物の層の厚さは、この街を訪れる実務的な理由にもなります。古町のアーケードを軸に半日、水道町まで含めて一日という配分で組み立てれば、無理なく回りきれる規模です。

ほかの地方都市と合わせて古着を探すなら、松本の古着・クラフトショップガイド仙台の古着屋ガイドが距離感の近い参考になります。全国の古着エリアを俯瞰したい場合は日本全国の古着エリアガイドもあわせてご覧ください。

編集方針について — この記事は GUZ FASHION 編集部のGUIDEカテゴリの編集方針に沿って制作されています。

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