群馬県の高崎市と前橋市は、新幹線や在来線で結ばれた距離の近い二つの街でありながら、それぞれ独自の古着シーンを育ててきました。高崎は「古着屋激戦区」と呼ばれるほど駅周辺に個人店が密集していて、砂賀町や連雀町といった駅前の通りに、店主自身が買い付けた古着を扱う店が数多く点在しています。前橋は高崎ほどの密度はないものの、県庁所在地らしい落ち着いた街並みのなかに、地元で長く愛されてきた古着店が根を張っています。利根川のほとりに広がる前橋は、群馬県の政治・行政の中心として発展してきた歴史を持ち、商業都市として栄えてきた高崎とはまた違う街の表情を見せてくれる街です。前橋公園や群馬県庁舎の展望フロアなど、街を一望できるスポットもあるため、古着屋巡りの前後に立ち寄って街全体の雰囲気をつかんでおくのもおすすめです。両市は電車で20分ほどの距離にあるため、一日で両方の街を回るという計画も立てやすいのが群馬の古着屋巡りの利点です。関東地方のなかでも群馬県は古着好きの間で語られる機会がそれほど多くないエリアですが、実際に訪れてみると、東京の有名エリアに引けを取らないほどの物量と個性を持つ店が集まっていることに驚かされるはずで、まだあまり知られていない古着エリアを開拓したい人にとっても面白い発見のある街だと言えます。
群馬県は海に面していない内陸県で、冬場の空っ風と呼ばれる乾いた強風が有名な土地柄で、山からの冷たい風が街を吹き抜ける様子は群馬の冬の風物詩として知られています。そうした厳しい気候のなかで、防寒性の高いミリタリーウェアやワークウェアが古着として重宝されてきた歴史があると考えられます。この記事では、高崎駅と前橋駅の周辺で実在を確認できた独立系の古着店を5軒紹介します。いずれも店主自身が買い付けと接客を担う個人店です。訪問前には各店の公式Instagramで最新の営業状況を確認しておくと安心です。
高崎駅周辺の古着店
OLD GREEN 高崎店 — スケーターファッション特化のアメカジ
高崎駅から徒歩5分ほどの砂賀町に店を構えるOLD GREEN高崎店は、スケーターファッションに特化したセレクトが特徴の古着店です。13時から20時までの無休営業で、アメカジやビンテージ古着、ミリタリーまで幅広い品揃えを誇ります。人気タレントも訪れたと話題になったことのある店で、県外からも注目を集めている一軒です。スケートボードカルチャーに根ざしたゆるやかなシルエットのアイテムが充実していて、ストリートテイストのコーディネートを組みたい人に向いています。ダボっとしたシルエットのパンツやオーバーサイズのトップスなど、動きやすさを前提にしたアイテムが多いのも特徴で、普段からスケーターファッションに親しんでいる人はもちろん、リラックスした着こなしを取り入れたい人にとっても発見のある店です。無休で営業しているため、思い立ったときにいつでも立ち寄れるのも利点です。
en — 世界中から仕入れた雰囲気のある古着
高崎駅前通りの連雀町に店を構えるenは、アメリカやヨーロッパなど世界中から仕入れた古着を扱うセレクトショップです。13時から19時までの営業で水曜が定休日、高崎駅から徒歩約7分の立地にあります。定番の手頃な古着から一点物のビンテージ品、スポーツ古着まで、状態とデザインにこだわって選ばれたアイテムが並んでいます。専用駐車場はないため、周辺のコインパーキングを利用する必要がある点は事前に押さえておくとよいでしょう。世界各地から仕入れているというだけあって、一つのジャンルに偏らないバランスの良い棚づくりがされていて、初めて高崎の古着屋を訪れる人にとっても入りやすい店だと言えます。定番のアメカジに飽きた人が新しい発見を求めて立ち寄るのにも向いている一軒です。
SUN CHILD — 50〜80年代のポップなアメリカンビンテージ
高崎市足門町に店を構えるSUN CHILDは、50年代から80年代にかけての個性的でポップなアイテムを扱うアメリカンビンテージショップです。14時30分から19時までの営業で、土曜・祝日は13時からと少し早まります。無料駐車場があるため、車で訪れやすいのも郊外型店舗ならではの利点です。高崎駅周辺の店とは少し離れた立地にありますが、カラフルで個性的なヴィンテージを求める人にとっては、足を延ばす価値のある一軒です。50年代から80年代という長い年代の幅を扱っているため、レトロなワンピースから80年代のポップなプリントTシャツまで、幅広いテイストのアイテムを一度に見比べることができます。無料駐車場を完備しているぶん、他の高崎駅周辺の店とセットで車移動しながら回る計画にも組み込みやすい店です。
Times Are Changin’ 高崎本店 — 古着と新品を組み合わせたセレクト
高崎市緑町に店を構えるTimes Are Changin’高崎本店は、古着だけでなく新品も取り揃えるセレクトショップです。11時から19時までの営業で、Champion、Levi’s、90年代のバンドTシャツなど、定番のアメカジアイテムを幅広く扱っています。古着と新品を織り交ぜたコーディネートを提案してもらいやすいのが特徴で、古着初心者でも取り入れやすい店づくりになっています。高崎市内での古着屋巡りの締めくくりに立ち寄るのに向いた立地です。新品とヴィンテージを同じ店内で見比べられるため、古着に不慣れな人が「どのくらい着古した風合いを選べばよいか」を実物で確認しながら選べるのも助かるポイントです。バンドTシャツのコレクションは年代とバンド名で丁寧に分類されていて、音楽好きにとっても見ごたえのある棚になっています。
高崎市緑町に店を構えるTimes Are Changin’高崎本店は、古着だけでなく新品も取り揃えるセレクトショップです。
前橋駅周辺の古着店
THE ENTRANCE — 前橋トップクラスのメンズ古着
前橋市表町のカドヤビル2階に店を構えるTHE ENTRANCEは、前橋でトップクラスと言われる古着店です。13時から20時までの営業で木曜・金曜が定休日、主にメンズアイテムを取り扱い、レギュラー古着からビンテージ、ハイブランドまで幅広くカバーしています。古着だけでなく家具や雑貨も展開していると言われていて、洋服以外のアイテムも含めた独自の世界観を楽しめる店です。前橋駅から徒歩圏内の立地で、群馬県庁所在地らしい落ち着いた街並みのなかに店を構えています。ハイブランドの古着まで扱っているため、普段使いのアメカジから特別な一着まで、幅広い予算とニーズに対応できる懐の深さがこの店の強みだと言えるでしょう。木曜・金曜の定休日を避けて訪問を計画すれば、前橋の古着シーンを代表するこの店をじっくり見て回ることができます。
群馬の古着シーンと空っ風の関係
群馬県は「かかあ天下とからっ風」という言葉で知られるように、冬場に山から吹き下ろす乾いた強い風が特徴的な土地です。こうした厳しい気候条件のなかで、ミリタリーウェアやワークウェアといった防寒性・耐久性に優れたアイテムが実用品として重宝されてきた背景があると考えられます。OLD GREEN高崎店やen、SUN CHILDが扱うアメリカ古着のミリタリーやワーク系のアイテムは、単なるファッションとしてだけでなく、群馬の気候風土に合った実用的な選択肢としても支持されてきたのかもしれません。高崎が新幹線の停車駅として交通の要衝になっていることも、県外からのバイヤーや古着好きが集まりやすい土壌を作ってきたと言えるでしょう。同じ北関東の栃木や埼玉北部からも訪れやすい立地にあることも、高崎の古着シーンが厚みを増してきた要因のひとつかもしれません。
回り方とアクセスの目安
高崎駅周辺のOLD GREEN高崎店・en・Times Are Changin’の3軒は徒歩圏内にまとまっているため、まずこの3軒を回り、そこから少し足を延ばしてSUN CHILDを訪れるという計画が組みやすいでしょう。前橋のTHE ENTRANCEへは、高崎駅からJR両毛線で移動することになり、電車の待ち時間を含めてもそれほど長くはかかりません。前橋市内はバス路線も発達しているため、前橋駅からTHE ENTRANCEまでの移動にバスを利用するという選択肢もあります。逆に高崎から下仁田・富岡方面へ足を延ばしたい場合は上信電鉄が使えるため、時間に余裕があれば古着屋巡りのついでに群馬の別のエリアを覗いてみるのも面白い過ごし方です。高崎と前橋の両方を一日で回る場合は、朝から高崎で古着屋巡りを済ませ、午後に前橋へ移動するという流れがスムーズです。群馬県内は車での移動が中心の土地柄でもあるため、車で訪れる場合はSUN CHILDのように駐車場のある店を組み合わせて計画すると効率的です。公共交通機関のみで回る場合は、高崎駅周辺の徒歩圏内にある3軒に絞って一日を使うというのも現実的な計画の立て方です。
価格帯とサイズ確認のコツ
高崎・前橋の古着店は、東京の有名エリアと比べると全体的に価格が落ち着いている印象があります。OLD GREEN高崎店やenのように駅前の一等地にある店であっても、都心ほどの家賃負担がないためか、状態の良いアイテムを手頃な価格で見つけやすい傾向があります。一方でSUN CHILDのようにカラフルで個性的なビンテージを扱う店では、希少性に応じてやや高めの価格設定になっていることもあります。ミリタリーウェアやワークウェアは現行品とサイズ規格が大きく異なることが多いため、実際に試着して肩幅や着丈を確認してから購入を決めるようにしてください。群馬の冬は空っ風が強く、体感温度が実際の気温よりも低く感じられることが多いため、アウターを選ぶ際はレイヤードを想定して少し余裕のあるサイズを検討するのもよいでしょう。THE ENTRANCEのようにハイブランドまで扱う店では、価格帯にも幅があるため、予算を決めてから訪れると選びやすくなります。
新幹線の街・高崎という立地
高崎は東京駅から上越新幹線・北陸新幹線でおよそ50分というアクセスの良さを持つ街で、群馬県内はもちろん、新潟や長野方面への乗り換え拠点としても機能してきました。こうした交通の要衝としての性格が、県外から人やモノが集まりやすい土壌を作り、高崎の古着シーンが「激戦区」と呼ばれるほどの密度に育った一因になっていると考えられます。高崎駅前には百貨店やアーケード商店街もあり、古着屋巡りの合間に買い物や食事を楽しむ場所にも困りません。だるま市で知られる少林山達磨寺など、高崎ならではの観光名所も点在しているため、古着屋巡りと合わせて街の歴史に触れる時間を作るのもおすすめです。前橋は群馬県庁の所在地として行政や文化の中心を担ってきた街で、高崎の商業的な賑わいとはまた違う、落ち着いた雰囲気のなかに古着店が根を張っています。同じ群馬県内でも、高崎と前橋でこれだけ異なる街の性格が見られるのは、両市の成り立ちの違いを反映していると言えるでしょう。JR両毛線を使えば、高崎駅から前橋駅までは20分ほどで移動できるため、一日のなかで両方の街の古着屋を回るという計画も現実的です。新幹線を使えば東京から日帰りでも十分に楽しめる距離感であり、群馬を目的地とした小旅行としても組み立てやすい立地だと言えます。
まとめ
高崎・前橋の古着店は、内陸県ならではの気候風土のなかで育まれてきた、実用性を重視したアメカジやミリタリーが根強く息づくエリアです。高崎の駅前に密集する個人店と、前橋の落ち着いた街並みに根を張る老舗という、二つの異なる古着文化を一度に楽しめるのが群馬の魅力だと言えます。新幹線でのアクセスも良く、東京都心から日帰りで訪れやすい距離感も、群馬を古着屋巡りの行き先として検討する理由になるでしょう。今回紹介した5軒はいずれも徒歩やJR両毛線でアクセスできる範囲にまとまっているため、群馬の古着屋巡りが初めての人でも計画を立てやすいはずです。一度訪れて気に入った店があれば、公式Instagramをフォローして次の入荷情報を追いかけながら、季節ごとに通ってみるのもおすすめの楽しみ方です。関東で他の古着エリアを探している場合は大宮の古着屋ガイドも参考にしてください。全国の古着屋の分布は全国の古着屋・セレクトショップデータベースでも紹介しているので、次の古着屋巡りの計画を立てる際にあわせて役立ててください。









