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東京のファッション・アート系古書店 — 写真集とデザイン書を探す専門店

ファッション写真集やアートブックが積まれた様子(東京のファッション・アート系古書店ガイドのイメージ)

ファッションやアートの世界では、一冊の本が大きな手がかりになります。絶版になった写真集、デザイナーの作品集、過去の名作モードを記録した一冊は、検索だけではなかなか出会えません。東京には、こうした写真集やアートブック、デザイン書、ファッションにまつわる希少な書籍を専門に扱う書店が点在し、本を通して創作の源泉に触れられます。背表紙を一冊ずつ眺め、思いがけない一冊を見つける時間そのものが、専門書店を訪ねる醍醐味です。店主が選び抜いた棚には、その人の美意識や視点がそのまま映り、本を介してものの見方に出会えます。

この記事では、東京でファッション・アート・写真集の本に強い書店を、編集部が公式情報をもとに確認したうえで七軒紹介します。恵比寿や神宮前のアートブック専門店から、神保町の老舗古書店、学芸大学や代田橋の写真集専門店まで、性格の異なる店をたどります。あわせて、希少な一冊の探し方や巡り方も整理しました。書店は在庫や営業時間が変わりやすいので、お目当てがある場合は事前に各店へ確かめてから出かけると確実です。

ファッションとアートの希少書とは

ひとくちにファッションやアートの希少書といっても、その種類はさまざまです。代表的なのが、写真家やブランドが手がけた作品集や写真集です。限定部数で刷られ、すでに絶版になったものは、古書でしか手に入りません。デザイナーの仕事をまとめたモノグラフや、過去のコレクションを記録した一冊も、時代の空気を伝える資料として価値を持ちます。

雑誌の世界にも希少な一冊があります。往年のモード誌や、廃刊になったカルチャー誌のバックナンバーは、当時の写真やスタイリングを知る手がかりになります。展覧会のときだけ作られた図録や、作家が少部数でつくったジンも、専門店だからこそ出会える本です。こうした本は、装いやものづくりのアイデアの源泉になり、眺めるだけでも刺激を受けられます。何を探しているのかをはっきりさせておくと、店選びがぐっと楽になります。

写真集とアートブックの専門店

まずは、写真集やアートブックを軸に、独自のセレクトで知られる三軒です。海外の作家や出版社の本まで深く扱う店が多く、ページをめくるだけで創作の最前線に触れられます。新刊と古書の両方を扱う店もあり、絶版の一冊と新しい才能の作品集が隣り合って並びます。

POST

POST は、恵比寿にある海外アートブックの専門店です。前身のlimArtから続く店で、ひとつの出版社を特集し、その本を一定期間ごとにすべて入れ替えるという独自の編集が名物として知られます。現代美術や写真、デザインの洋書アートブックが軸で、訪ねるたびに棚の顔ぶれが変わる面白さがあります。

店の奥には展覧会のスペースも併設され、本と作品を同時に味わえます。二〇〇五年にlimArtとして始まり、二〇一三年に恵比寿の現在地へ移りました。ひとつの出版社を深く掘り下げる棚づくりは、ふだん名前を意識しない作り手の個性に気づかせてくれます。世界の出版動向をいち早く知りたい人や、作り手の視点で本を選びたい人に向いています。定休日は月曜で、営業時間は時期によって案内が異なるため、訪問前に公式やSNSで確かめておくと安心です。一冊の本の背景にある出版の文化まで楽しみたいときにおすすめです。

SO BOOKS

SO BOOKS は、代々木八幡と代々木公園の駅に近い古書店です。十九世紀から現代までの写真関連の本を全般に扱い、近代以降の美術、とりわけ現代アート、そしてファッションやモダニズムデザインの古書まで幅広く揃えます。古書の世界でも評価の高いセレクトで知られ、目利きの選んだ一冊に出会えます。

写真の本を腰を据えて探したい人にとって、棚を眺める時間そのものが学びになります。古い写真技法の資料から現代作家の作品集まで、年代を越えて並ぶ品揃えは、写真史をたどるような奥行きがあります。ファッションをテーマにした写真や、モダニズムのデザイン書も交じり、装いとアートのつながりに気づかせてくれます。営業は十三時から十八時で、日曜と月曜、木曜が休みです。開いている日が限られるので、訪ねる前に確かめておくとよいでしょう。じっくり一冊を選びたいときに頼りになる店です。

flotsam books

flotsam books は、代田橋の沖縄タウンの一角にある写真集とアートブックの専門店です。店主のセレクトが効いた写真集が在庫の多くを占め、残りをファッションやアート、カルチャーの本が彩ります。もとはオンラインを中心に営まれ、二〇二〇年の冬に実店舗を構えました。

国内外の写真集や洋書の新刊、古本が混ざり合う棚は、掘るほどに発見があります。ジンのイベントや他店とのコラボも折々に開かれ、写真表現の今に触れられます。沖縄タウンという個性的な立地も、訪ねる楽しみのひとつです。営業は十四時から二十時で、水曜が休みです。写真集を一冊ずつ手に取って選びたい人におすすめの一軒です。

神保町に集まる美術とヴィジュアルの古書

古書の街として知られる神保町には、美術書や写真集を専門に扱う店も集まっています。総合的な古書店だけでなく、ヴィジュアルブックに特化した店があり、絶版の画集や図録を探すならまず訪ねたいエリアです。歩いて回れる距離に名店が並ぶのも、神保町ならではの楽しみです。

小宮山書店(KOMIYAMA TOKYO)

小宮山書店は、一九三九年に創立された神保町の老舗古書店です。複数のフロアを持つ大型の店で、写真集や美術書、現代アートの本に強く、オリジナルプリントやポスター、版画まで扱います。海外の美術ファンも足を運ぶ、神保町を代表する一軒です。

二〇二二年には併設のギャラリーも設け、本と作品の両方に触れられる場になりました。フロアごとにジャンルが分かれ、写真集の階、美術書の階と歩いて回るうちに時間を忘れます。希少な洋書や図録、版画まで揃うので、絶版の一冊を探すとき、ここの品揃えは頼りになります。営業は月曜から土曜が十一時から十八時半、日曜と祝日は十七時半までで、火曜と水曜が休みです。じっくり時間をかけて棚を見たい人にふさわしい店です。

Wols Books(ヴォルスブックス)

Wols Books は、二〇二三年の夏に神保町で開いた、新しめの古書店です。画集や写真集、展覧会の図録を主体に、現代アートやデザイン、建築、ファッション、工芸まで、ヴィジュアルブックを幅広く扱います。新しい店ながら、選書の確かさで本好きの注目を集めています。

松晃ビルの一階にあり、神保町の駅から歩いてすぐです。眺めるだけでも楽しい大判の本が並び、装丁や図版の美しさに見入ってしまいます。一部の在庫はインターネットの古書市場とも連動しており、遠方から探している人にも開かれています。営業は十一時から十八時半で、日曜が休み、祝日は不定休です。ヴィジュアルの本を腰を据えて探したい人にうってつけです。

デザインとファッションの本を深掘りする

写真集だけでなく、デザインやファッションそのものを掘り下げる本に強い店もあります。タイポグラフィやグラフィックデザイン、ファッションの作品集など、専門性の高い棚は、作り手やデザインを学ぶ人の心強い味方です。神宮前と学芸大学の二軒を紹介します。

UTRECHT(ユトレヒト)

UTRECHT は、神宮前にあるアートブックとデザイン、ファッション書の専門店です。国内最大級のアートブックの祭典であるTOKYO ART BOOK FAIRを共同で主催してきたことでも知られ、アートと本をつなぐ存在として一目置かれています。展示スペースのNOW IDeAを併設し、本と作品を同時に楽しめます。

二階にある隠れ家のような立地で、知る人ぞ知る雰囲気も魅力です。インディペンデントな出版物や、海外のデザイン書、ファッションにまつわる本まで、感度の高いセレクトが並びます。小規模な出版社や作家の作品集、自費出版の一冊に出会えるのも、この店ならではです。営業は十二時から十九時で、月曜が休みです。アートとデザインの最前線を本で追いたい人にぴったりです。

BOOK AND SONS

BOOK AND SONS は、学芸大学にあるタイポグラフィとグラフィックデザインに特化した古書店です。欧文と和文のデザイン書から写真集まで、デザイン事務所の代表が厳選した本が並びます。デザインを学ぶ人や、文字と紙面の美しさに惹かれる人にとって、ここでしか出会えない一冊が見つかります。

店内にはコーヒースタンドが併設され、ギャラリーでは写真やイラストの展示、オリジナルのブックフェアも開かれます。本を選んだあと、一杯を片手にページをめくる時間が持てます。海外の名作デザイン書や、絶版になった作品集、書体見本まで、デザインに携わる人が思わず手を伸ばす本が並びます。学芸大学という落ち着いた街の空気も、ゆっくり棚と向き合うのにちょうどよく感じられます。営業は十二時から十九時で、水曜が休みです。デザインとタイポグラフィの世界を深く知りたい人にふさわしい店です。

ファッション・アート古書の探し方と楽しみ方

希少な写真集や絶版のファッション書を探すときは、いくつかのコツを知っておくと出会いの確率が上がります。まず、お目当ての作家やテーマが決まっているなら、店の得意分野を踏まえて訪ねるのが近道です。写真集に強い店、デザイン書に強い店と、それぞれに個性があるので、目的に合わせて回ると効率がよくなります。気になる一冊があれば、在庫や取り置きを店に問い合わせてみるのも確実です。

古書ならではの楽しみは、本の状態や版の違いを自分の目で確かめられる点にあります。初版かどうか、帯やカバーが残っているか、サインや書き込みがあるかで、同じタイトルでも価値や味わいが変わります。海外の写真集やアートブックは、刷りごとに紙や色の出方が異なることもあり、実物を見比べる意味があります。値段はタイトルや状態、希少性によって幅があるため、予算の目安は店で確かめてください。一度では出会えない一冊も、何度か通ううちに棚に並ぶことがあります。気になる本があれば、入荷の連絡をお願いできる店もあるので、相談してみるとよいでしょう。気長に付き合うのも、古書探しの醍醐味です。

街ごとに巡るコツ

今回紹介した店は、恵比寿や神宮前、神保町、学芸大学、代田橋、上原と、東京の各所に散らばっています。神保町は世界でも有数の古書店街で、小宮山書店やWols Booksを起点にすれば、ほかの専門古書店ものぞきながら歩いて回れます。古書会館で開かれる即売会の時期に合わせて訪ねるのも、本好きには見逃せません。恵比寿のPOSTや神宮前のUTRECHTは、街歩きやギャラリーめぐりとあわせて訪ねると一日が充実します。代々木八幡のSO BOOKSや代田橋のflotsam booksは、住宅街に近い落ち着いた立地なので、散歩の延長で立ち寄るのに向いています。目的の本のジャンルでエリアを絞ると、無理なく回れます。

本を選んだあとは、近くのカフェでページを開く時間も格別です。エリアごとの楽しみ方は、ほかのテーマでも掘り下げています。あわせてご覧ください。

東京の独立系書店ガイドでは新刊の名店を、渋谷のカフェガイドでは本のおともになる一杯を紹介しています。日本のヴィンテージ・古着エリアガイドとあわせて巡ると、ファッションを本と街の両面から楽しめます。

まとめ

東京のファッション・アート系の古書店やアートブック専門店は、写真集やデザイン書、希少なファッション書を通して、創作の奥行きに触れさせてくれます。恵比寿のPOSTや代々木八幡のSO BOOKS、神保町の小宮山書店やWols Books、神宮前のUTRECHT、学芸大学のBOOK AND SONS、代田橋のflotsam booksと、どの店も得意分野が違います。お目当てのジャンルから一軒を選んで、棚の前でゆっくり過ごしてみてください。気に入った店が見つかれば、季節ごとに棚の変化を見に通うのも楽しみ方のひとつです。在庫や営業時間は変わることがあるので、出かける前に各店の公式情報やSNSで確かめると安心です。一冊との出会いが、装いやものづくりの見方を静かに、そして確かに変えてくれるはずです。

編集方針について — この記事は GUZ FASHION 編集部のGUIDEカテゴリの編集方針に沿って制作されています。

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