GUIDE

奈良の古着屋 — もちいどのとならまちを巡る6店

淡い色の建物に囲まれたブティックのウィンドウに立つマネキン(奈良の古着屋ガイドのイメージ)

奈良の古着屋は、近鉄奈良駅から猿沢池にかけての一帯と、そこからならまちへ抜ける三条町・今御門町のあたりに点在しています。もちいどのセンター街は近鉄奈良駅からすぐの位置にあり、猿沢池の西側からならまちの町並みへとつながる導線上にあるため、東大寺や興福寺、奈良公園を巡る合間に立ち寄りやすい立地です。観光の目的地そのものというより、寺社を巡る道すがらに古着屋が点在しているという街の作りが、奈良らしいところだといえます。

奈良の古着シーンは、店ごとの色分けがはっきりしているのが特徴です。ヴィンテージ古着と新品のセレクトを一つの棚に並べる店があり、古着売り場にバーとゲームコーナーを組み合わせた複合店があり、再構築ブランドと年代の新しいストリート古着を組み合わせる店があり、レディース専門で自店リメイクを手がける店があります。もちいどのセンター街は奈良で最も古いとされる商店街で、全国チェーンを置かない方針を貫いてきた通りでもあるため、個人店が並びやすい土壌がそのまま古着屋の分布にも表れています。

この記事では、近鉄奈良駅前ともちいどのセンター街、ならまちと三条町にかけて営業を確認できた独立系の古着店を6軒選びました。無人販売の店と全国展開のチェーン店は外し、店主やスタッフが在店して棚を作っている店を軸にしています。奈良駅から一番遠い店でも徒歩7分ほどの範囲に収まっているため、半日あれば6軒をひと通り回りきれる距離感です。営業時間や定休日は変則的な店もあり、臨時休業が入る店もあるため、遠方から向かう場合は各店の公式Instagramで直近の営業を確かめてから出かけてください。

近鉄奈良駅前・もちいどのセンター街の古着店

ZONOCO — ヴィンテージと新品を並べるセレクト型

林小路町の福田ビル3階にあるZONOCOは、近鉄奈良駅からやすらぎの道を歩いて2分ほどの位置にある店です。ヴィンテージ古着と新品の洋服をあわせて扱っており、古着屋というよりセレクトショップに近い棚の組み方をしています。70年代のハンティングベストや60年代のドリズラー、Levi’sなど、年代の幅が広いアイテムが一つの空間に並んでいます。

営業は11時から20時まで、定休日は不定休です。通常の店舗アカウント「@zonoconara」に加えてセール専用のサブアカウント「@zonocoright」も運用しているため、値下げ品を狙うならサブアカウントもあわせて確認しておくと動きやすくなります。新品と古着を並行して見られる店なので、古着に慣れていない人が最初に立ち寄る一軒としても向いています。

古着家Re: — バーとゲームコーナーを併設した複合店

餅飯殿町のもちいどのセンター街内、古書店「フジケイ堂」の跡地に7月29日開店したのが古着家Re:です。前身は椿井町にあった「古着屋YUM」で、そのスタッフだった人物がクラウドファンディングで資金を募り、新しい店として立ち上げた経緯を持ちます。開業した年については出典に明記がなく、7月29日という月日のみが確認できています。

古着の売り場に加えて、ジャパニーズウイスキーと日本酒を出す併設バー「ちょっとBAR Re:」、ゲームコーナー、間借り営業の「HAJIME COFFEE」を併設しており、服を見るだけでなく飲み物やコーヒーを挟みながら滞在できる作りになっています。若手アーティストによる壁画が店内を彩っているのも、他の古着店とは違う時間の過ごし方を用意している店だと分かる部分です。営業は11時から20時まで、定休日は木曜です。

古着屋レセルバ — アメリカンとカジュアルを幅広く揃える

餅飯殿町の平井ビル2階、近鉄奈良駅から徒歩5分ほどの位置にあるのが古着屋レセルバです。メンズとレディースの両方を扱い、カジュアルなものからアメリカン古着まで幅広い年代のヴィンテージ品を揃えています。

営業時間は平日が13時から20時、土日祝は12時から20時という設定で、水曜が定休日です。出典によって営業時間や住所の表記に細かな相違があり、地図サービスと公式Instagramで曜日ごとの開店時刻が異なって記載されているため、この記事では公式Instagramの告知に沿った時間を採用しました。月に数回の臨時休業も入るとのことなので、訪れる前に公式Instagramで最新の状況を確かめておくのが確実です。

Used Clothing SEED — 自店リメイクを製作するセンター街の古着店

もちいどのセンター街の中、餅飯殿町にあるUsed Clothing SEEDは、近鉄奈良駅から徒歩6分ほどの位置にあります。アメリカ古着とヨーロッパ古着、昭和レトロなアイテムを中心に扱っており、それらをオリジナルのリメイクアイテムとして自店で製作・販売しているのが大きな特徴です。

営業は11時から20時まで、定休日は毎月第4木曜日です。オンラインショップ(seednara.theshop.jp)も運営しており、Instagram・Twitter・Facebookで新着情報を随時発信しています。公式サイトには営業時間・定休日について変更の可能性がある旨の注記があるため、来店前に最新の告知を確認しておくと安心です。センター街内にあるため駐車場はなく、車で訪れる場合は周辺のコインパーキングを探しておく必要があります。

前身は椿井町にあった「古着屋YUM」で、そのスタッフだった人物がクラウドファンディングで資金を募り、新しい店として立ち上げた経緯を持ちます。

ならまち・三条町の古着店

unaware — 再構築ブランドとストリート古着を掛け合わせる

三条町のふくもりビル2階、JR奈良駅と近鉄奈良駅のちょうど中間に位置するunawareは、2024年3月4日に開店した店です。ink、Takaya Hioki、CHANGESといった再構築(リコンストラクション)ブランドと、80年代から2000年代のNIKEやadidas、Levi’sなどの古着、ミリタリー、ハイブランドのアーカイブピースを組み合わせて展開しています。

店名は「知らない、不注意な」状態から「気づいている」状態へと成長していくというコンセプトに由来するとされています。営業は月・火・木曜から日曜の12時から19時まで、水曜が定休日です。再構築ブランドと素のヴィンテージ古着を同じ空間で並べているため、手を加える前の古着そのものと、そこから作り替えられた一着を見比べながら回れる店です。

SLOW JAM ならまち店 — 昭和レトロを軸にしたレディース専門店

ならまちの今御門町にあるSLOW JAM ならまち店は、近鉄奈良駅から徒歩7分ほどの女性向け古着専門店です。昭和レトロなワンピースを中心に、アメリカとヨーロッパのヴィンテージ古着、自店で手がけるリメイク商品を扱っています。

営業は11時から19時まで、年中無休です。通販サイト(slowjam.ocnk.net)や公式ブログ、Instagram(@slowjam_naramachi)では週替わりのコーディネート提案や新着情報が発信されており、来店前に雰囲気をつかんでおくこともできます。レディース専門でならまちの町並みに溶け込む立地なので、カフェ巡りとあわせて訪れる人にも向いた一軒です。

奈良で古着を選ぶときの実践ポイント

もちいどのセンター街とその周辺の古着店は、ビルの2階から3階に店を構えているところが目立ちます。ZONOCOは福田ビル3階、古着家Re:とレセルバ、unawareはそれぞれのビルの2階にあり、通りから見上げただけでは店の存在に気づきにくい造りです。看板を探すよりも、あらかじめ住所の階数を確認してから向かう方が迷いません。

定休日は店ごとにばらばらで、水曜がレセルバとunaware、木曜が古着家Re:、毎月第4木曜がSEED、不定休がZONOCO、年中無休がSLOW JAM ならまち店と、重なりが少ないのも奈良の古着店の特徴です。一つの曜日にまとめて回るというより、あらかじめ各店の定休日を控えたうえで日程を組む必要があります。臨時休業が入る店もあるため、直前に公式Instagramで開いているかどうかを確かめる一手間が、空振りを防ぎます。営業開始時刻も11時台から13時台まで幅があるので、朝一番で到着した場合は開店の早い店から回り、遅く開く店を後半に回すという組み方が無駄を減らします。

棚の前で判断に迷ったときは、古着に手を加えるという発想をどう評価するかという軸を持っておくと選びやすくなります。アメリカの古着を裁断してパーツを組み替え、別の一着に仕立て直すJunya Watanabe MANの手法を知っておくと、unawareが扱う再構築ブランドや、SEEDとSLOW JAM ならまち店が自店で手がけるリメイクが、元の古着のどこをどこまで作り替えているのかを見分ける手がかりになります。

価格帯とサイズの見立て方

奈良の独立系古着店の価格帯は、レギュラー古着で数千円台、状態のよいヴィンテージで一万円台から数万円というあたりが目安です。年代の古いアメリカ古着は状態と希少性で値が決まるため、価格だけを見て判断せず、生地の傷み具合や縫製の状態を手に取って確かめる順番にすると納得のいく買い方につながります。

サイズについては、アメリカ古着とヨーロッパ古着で設計の考え方が異なる点に注意が必要です。アメリカの実用着は肩幅と身幅にゆとりのある型が多く、表記より大きめに感じることがあります。ヨーロッパのヴィンテージは着丈が短く袖が細い傾向があり、表記通りのサイズでも腕回りが窮屈に感じられる場合があります。再構築ブランドやリメイクアイテムは、元の古着のサイズ感がそのまま残っているものと、パーツの組み替えで別のサイズ感になっているものが混在するため、試着して確かめる必要があります。

ZONOCOのようにセール専用アカウントを別に持つ店もあれば、SEEDやSLOW JAM ならまち店のようにInstagramで新着情報を随時発信する店もあります。狙った一着を逃さないためには、気になる店のアカウントをフォローして、入荷や値下げのタイミングを追っておくのが有効です。

効率よく巡るための道順と時間帯

奈良の古着店は11時から12時に開く店がほとんどで、レセルバのように土日祝と平日で開店時刻が変わる店もあります。閉店は19時から20時にそろっているため、午前中に近鉄奈良駅へ着いて、開店直後から回り始めると一日で6軒を無理なく巡れます。

道順としては、近鉄奈良駅から徒歩数分のZONOCOを起点に、もちいどのセンター街へ入って古着家Re:、レセルバ、SEEDと巡り、そこから三条町のunawareへ折れて、最後にならまちの今御門町にあるSLOW JAM ならまち店で締めくくる流れだと移動距離を抑えられます。もちいどのセンター街はアーケードになっているため雨の日でも移動の負担が小さく、三条町からならまちへ抜ける区間は天候の影響を受けやすくなります。

定休日が店ごとに分散しているぶん、事前にどの曜日なら何軒回れるかを確認しておく必要があります。水曜はレセルバとunawareが同時に休みになるため、水曜に訪れる場合はこの2軒を外して残り4軒に絞ると効率的です。

もちいどのセンター街とならまちという街の背景

もちいどのセンター街は奈良で最も古いとされる商店街で、都が置かれ流通の中心地であった時代から商いが行われてきたと伝えられています。全国チェーンを置かない方針を貫いてきた通りでもあり、猿沢池の西側に位置して、近鉄奈良駅からならまちへ向かう道すがらにあたるため、寺社を巡る人の通り道としても機能してきました。個人店が並びやすいこの土壌が、ヴィンテージ古着や複合型の店が生まれる余地を作ってきたといえます。近年は新しい店主が個人でチャレンジする動きも見られ、古着家Re:のようにクラウドファンディングで資金を募って開業し、飲食やゲームを組み合わせた複合店を作るという例も出てきています。

もちいどのセンター街を抜けた先に広がるならまちは、元興寺の旧境内を中心に、江戸から明治にかけての町家が今も残るエリアです。近年は町家をリノベーションしたカフェや宿が増え、女性を中心に人気を集めるようになりました。SLOW JAM ならまち店やunawareのように、古い町並みの中に新しい古着店が根を下ろしているのは、この町家再生の流れと重なる動きだといえます。

まとめ

奈良の古着屋は、近鉄奈良駅前ともちいどのセンター街、そこから続く三条町とならまちにかけて、性格の異なる6軒が点在する構成です。ヴィンテージと新品を並べるセレクト型、バーとゲームを併設した複合店、幅広い年代を扱うアメリカン古着店、自店リメイクを手がける店、再構築ブランドを扱う店、レディース専門の昭和レトロ古着店と、それぞれ違う切り口を持っています。寺社や町家を巡る観光の合間に立ち寄れる立地なので、奈良を訪れる予定と古着巡りを無理なく組み合わせられます。

定休日と営業時間が店ごとに異なるため、あらかじめ各店の公式Instagramで最新の情報を確かめてから出かけてください。関西の他の古着エリアとあわせて回るなら京都の古着屋ガイド大阪の古着屋ガイドが参考になります。全国の古着エリアを俯瞰したい場合は日本全国の古着エリアガイドもあわせてご覧ください。

編集方針について — この記事は GUZ FASHION 編集部のGUIDEカテゴリの編集方針に沿って制作されています。

SHARE

「GUIDE」で読まれている

あなたへのおすすめ

掲載6店を地図で見る 関連ガイド