設計思想 — Stockholm から届く「静かなる贅沢」 の代表
Toteme は、2014 年にスウェーデンのストックホルム (Stockholm) で Elin Kling (1983 年生、スウェーデンの服飾ジャーナリストと著名なブロガーの出身) と Karl Lindman (元 Bon Magazine 編集者、スウェーデンの服飾媒体の代表的な人物) の夫妻が共同で立ち上げたハウスです。
ハウスを象徴するのは、北欧の冷たい光と静かな空気のなかで育った夫妻の感性を、欧米の高級婦人服の世界に持ち込む独自の世界観です。Elin Kling はスウェーデンで 2000 年代後半に著名なファッションブロガーとして名を馳せた人物で、ストックホルムの主要な業界誌が「世代を代表する女性媒体の代表者」 として繰り返し取り上げる存在でした。夫の Karl Lindman は同じ時期にスウェーデンの服飾媒体 Bon Magazine の編集者として、北欧の服飾の業界の中心にいた人物です。二人は服飾の業界の内側で長い経験を積んだ後、2014 年に自身のハウスを立ち上げる決断を下しました。
ハウスの服作りは、北欧ミニマリストの代表的な姿勢として欧米とアジアの愛好家のあいだで認知されています。控えめな単色 (ベージュ、黒、白、グレー、深い茶色)、目立たないが極めて質の高い仕立て、長く着られる飽きの来ない意匠――こうした姿勢は、2010 年代後半から 2020 年代に欧米とアジアの服飾の業界誌で広く広まった「Quiet Luxury」 (静かなる贅沢、ステルス・ウェルス) という思潮の代表的な事例として、繰り返し参照されてきました。
代表的な意匠は、ハウスの代名詞となった「Toteme Scarf Jacket」 (襟元に長いスカーフのような布を縫い付けたウールのジャケット、2017 年発表) と、極めて柔らかな革質のレザージャケット、Toteme Original Denim (大きなシルエットの幅広のジーンズ) などです。どれも欧米とアジアの女性愛好家のあいだで「北欧の上質な日常着」 の代表として強い支持を集めてきました。
創業から現代まで — Toteme の歩み
1983-2014 Elin Kling と Karl Lindman の北欧の業界の内側から
Elin Kling は 1983 年にスウェーデンで生まれました。早くから服飾の世界への関心を持ち、2000 年代後半にスウェーデンの主要なファッションブロガーとして名を馳せます。ストックホルムの主要な業界誌が「世代を代表する女性媒体の代表者」 として繰り返し取り上げる存在となり、2010 年代前半にはスウェーデンの服飾の業界の代表的な人物の一人としての地位を築きました。
Elin はスウェーデンの大手の服飾ブランド H&M との共作カプセルコレクションを 2010 年に発表 (「Elin Kling for H&M」)、北欧の服飾の業界の内側で商業的な現場の経験も積みました。夫の Karl Lindman は同じ時期にスウェーデンの服飾媒体 Bon Magazine (北欧の代表的な服飾媒体) の編集者として、北欧の服飾の業界の中心にいた人物です。二人は 2010 年代前半に結婚し、Karl は服飾媒体の編集者として、Elin は著名なブロガーと共作のデザイナーとして、それぞれの立場で北欧の服飾の業界の内側を知り尽くした夫妻となりました。
2014 創業 — Stockholm の小さなハウスから始まる
2014 年、Elin Kling と Karl Lindman 夫妻はスウェーデンのストックホルム (Stockholm、北欧の代表的な都市) で Toteme を共同で立ち上げます。ハウス名「Toteme」 は、フランス語の「Totem」 (図像、象徴) から派生した造語で、創業者の姓を使わずに新しいハウスを始める姿勢を象徴する命名でした。
創業から最初の数年間 (2014-2016) は、Stockholm の小さなアトリエで Elin と Karl が夫妻共同で立ち上げた、こぢんまりとした事業でした。Elin がデザインの中心を担い、Karl が経営と販売の中心を担うかたちで、欧米の業界誌から大きく取り上げられることなく、ゆっくりと北欧の主要な販売店での取り扱いを広げていきます。
2017 Toteme Scarf Jacket と世界中の認知
2017 年は Toteme の歩みのなかで最大の節目となりました。Elin Kling と Karl Lindman 夫妻がデザインした「Toteme Scarf Jacket」 (襟元に長いスカーフのような布を縫い付けたウールのジャケット、ハウスの代名詞となった代表作) を発表したのです。
ジャケットの襟元に長い布を縫い付けるという発想は、欧米の伝統的な高級婦人服の世界では珍しい意匠で、欧米とアジアの業界誌で繰り返し取り上げられ、夫妻の名前を世界中に知らしめる契機となりました。襟元の布は、首にゆるく巻いてマフラーとして使うこともできれば、垂らしたままで装飾として残すこともできる、欧米とアジアの女性愛好家のあいだで「北欧の上質な日常着」 の代表として 2017 年から 2026 年現在まで強い支持を集める代表的な意匠となります。
Toteme Scarf Jacket の成功を受けて、ハウスは欧米とアジアの主要な高級服飾の販売店 Bergdorf Goodman、Net-a-Porter、Matches、Mr Porter などでの取り扱いを広げ、2017 年から 2020 年にかけて欧米とアジアの女性愛好家のあいだで急速に認知を広げていきました。
2020 年代の Quiet Luxury 期と急成長
2020 年代に入ると、Toteme は欧米とアジアの服飾の業界誌で「Quiet Luxury」 (静かなる贅沢、ステルス・ウェルス) という思潮の代表的な事例として繰り返し取り上げられる存在となります。
「Quiet Luxury」 とは、2020 年代を通じて欧米とアジアの愛好家のあいだで広まった、目立たないが極めて質の高い高級服飾を好む姿勢のことです。大きなロゴや派手な意匠から離れ、控えめな単色と上質な仕立てで一目で本物と分かる服を求める動きで、米国 HBO のドラマ「Succession」 (2018-2023 年放送、富豪一族の権力闘争を描いた現代の名作) の影響もあって 2020 年代前半に急速に広まりました。
Toteme は「Quiet Luxury」 思潮のなかで Loro Piana (イタリアの最高品質のカシミアの伝統ハウス) や The Row (米国のオルセン姉妹が率いる高級婦人服のハウス) と並ぶ代表的な事例として欧米とアジアの服飾の業界誌で繰り返し取り上げられました。北欧の冷たい光と静かな空気のなかで育った夫妻の感性が、世界中の高級服飾の愛好家の趣味と完全に一致した瞬間として記録されています。
商業的な広がりに関しても、2020 年代の Toteme は北欧の中堅の独立系ハウスのなかで最も急成長を遂げる代表的な事例となりました。ストックホルム本店、米国ニューヨーク、英国ロンドン、フランスのパリ、東京の表参道など主要な販売店で安定した存在感を確保し、2026 年現在も Elin Kling と Karl Lindman 夫妻による独立経営を 11 年にわたって続けています。
Toteme を作った人々
Elin Kling (共同創業者、デザインの中心、2014-現在)
1983 年スウェーデン生まれ。2000 年代後半にスウェーデンの主要なファッションブロガーとして名を馳せた人物で、ストックホルムの主要な業界誌が「世代を代表する女性媒体の代表者」 として繰り返し取り上げる存在でした。2010 年にスウェーデンの大手の服飾ブランド H&M との共作カプセルコレクション「Elin Kling for H&M」 を発表。2014 年に夫の Karl Lindman とともにストックホルムで Toteme を共同で立ち上げ、デザインの中心を担う指揮者として 11 年にわたってハウスを率いてきました。
Karl Lindman (共同創業者、経営と販売の中心、2014-現在)
スウェーデンの服飾媒体 Bon Magazine (北欧の代表的な服飾媒体) の元編集者で、北欧の服飾の業界の代表的な人物の一人。2014 年に妻の Elin Kling とともにストックホルムで Toteme を共同で立ち上げ、経営と販売の中心を担う立場でハウスを支えてきました。夫妻共同経営の独立系ハウスとして、2026 年現在も欧米の主要な大手の服飾持株会社の傘下に入らず自身で経営を続けています。
代表アイテム — Toteme の語彙
Toteme Scarf Jacket (スカーフ・ジャケット、2017 年発表)
ハウスの代名詞となった代表作。襟元に長いスカーフのような布を縫い付けたウールのジャケットで、襟元の布を首にゆるく巻いてマフラーとして使うこともできれば、垂らしたままで装飾として残すこともできます。欧米とアジアの女性愛好家のあいだで「北欧の上質な日常着」 の代表として強い支持を集める代表作です。
Toteme Original Denim (大きなシルエットのジーンズ)
ハウスの代表的なジーンズ。大きなシルエットの幅広の脚部、肩のラインから腰までゆるく落ちる仕立てで、欧米とアジアの女性愛好家のあいだで「現代の幅広のジーンズ」 の代表的な意匠の一つとなっています。
革のオーバーサイズのジャケット
ハウスの代表的な革製品。大きなシルエットの肩と袖、極めて柔らかな革質、控えめな金具の意匠で、欧米とアジアの女性愛好家のあいだで強い支持を集める代表作です。
カシミアのオーバーコート
イタリアの最高品質のカシミアの織物を使った、ハウスの代表的な冬の代表作。北欧の長い冬の暮らしを支える実用性と、欧米とアジアの女性愛好家のあいだで「静かなる贅沢」 の代表として支持される上質さを兼ね備える意匠です。
中古市場での Toteme
Toteme の中古市場は、複数の軸で形成されています。Toteme Scarf Jacket (襟元に長いスカーフのような布を縫い付けたウールのジャケット)、Toteme Original Denim (大きなシルエットの幅広のジーンズ)、革のオーバーサイズのジャケット、カシミアのオーバーコート――これらが日本国内で活発に取引されています。
日本ではフリマアプリ、メルカリ、Vestiaire Collective、ZOZO USED、それから表参道・青山・代官山の古着店での流通が中心で、北欧の現代の代表的な独立系ハウスとして安定した取扱量を保ち続けています。
Toteme Scarf Jacket は中古市場で 5 万円から 18 万円の幅広い帯で取引され、とくに 2017 年の最初の発表時の在庫は限定の人気色として 8 万円から 25 万円の高い帯で愛好家のあいだを動きます。Toteme Original Denim のジーンズは 1 万 5 千円から 4 万円の手頃な帯で活発に流通し、日本の若年層の女性愛好家から欧米とアジアの大人世代まで幅広い世代に届く「北欧の上質な日常着」 の代表として支持されています。革のオーバーサイズのジャケットとカシミアのオーバーコートは 4 万円から 20 万円の中位帯で取引され、欧米とアジアの女性愛好家のあいだで「静かなる贅沢」 の代表的な意匠として安定した参照対象となっています。
まとめ — 11 年の歩み、ストックホルムの夫妻が築いた北欧ミニマリスト
Toteme の歩みを 11 年でまとめると、次のような節目に整理できます。1983 年に Elin Kling がスウェーデンで生まれ、2000 年代後半に主要なファッションブロガーとして名を馳せ、2010 年にスウェーデンの大手 H&M との共作カプセルコレクション「Elin Kling for H&M」 を発表、2010 年代前半に Karl Lindman (スウェーデンの服飾媒体 Bon Magazine の編集者) と結婚、2014 年に夫妻共同でストックホルムで Toteme を立ち上げ (ハウス名はフランス語の「Totem」 から派生した造語、創業者の姓を使わず新しいハウスを始める姿勢)、2014 年から 2016 年は Stockholm の小さなアトリエで地道に取り扱いを広げ、2017 年に Toteme Scarf Jacket (襟元に長いスカーフのような布を縫い付けたウールのジャケット) を発表して世界中の業界誌で繰り返し取り上げられ、2020 年代に「Quiet Luxury」 (静かなる贅沢、ステルス・ウェルス) 思潮のなかで Loro Piana や The Row と並ぶ代表的な事例として認知、ストックホルム本店・米国ニューヨーク・英国ロンドン・フランスのパリ・東京の表参道など主要な販売店で安定した存在感を確保、2026 年現在も Elin Kling と Karl Lindman 夫妻による独立経営を 11 年にわたって続けている――という流れです。
中古市場では Toteme Scarf Jacket、Toteme Original Denim、革のオーバーサイズのジャケット、カシミアのオーバーコートの多角的な軸で日本国内でも活発に取引され、北欧の現代の代表的な独立系ハウスとして安定した価値を保ち続けています。Elin Kling と Karl Lindman 夫妻の 11 年に及ぶ独立経営と、北欧の冷たい光と静かな空気のなかで育った夫妻の感性は、欧米とアジアの服飾史における「Quiet Luxury」 思潮を象徴する代表的な事例として、今後も参照され続けるはずです。










